「周りにバカにされているかもと考えてしまった」(34歳/男性)
「僕がクォーターライフ・クライシスを発症したのは、国家資格の取得を目指し、何度も受験していたころでした。同期や後輩が合格するなか、自分だけもう何年も不合格…。周りと自分を比較し、『自分には向いていないのかもしれない』『こんな選択間違っていた、もっと別の仕事に就きたかった』と思うようになっていました。そんなとき、上司に『いい加減合格しないとね』と言われたんです。冗談だったのかもしれないけど、あぁみんな僕をバカにしているのかなと思いました」
どんどんネガティブ思考が加速していったというヒロトさん(仮名)。
しかしゆっくり自分と向き合う時間を作り、ある決断をしたことで状況が動き出したと言います。
「当時の上司は結構僕を見下すタイプで、あまり自己肯定感が高くない僕にとっては非常に付き合いづらい人でした。だから、思い切って転職してみたんです。そしたら資格勉強のモチベーションが上がるようになり、翌年無事に合格しました。ネガティブの原因になってしまっていた人との縁を思い切って切ったことで、僕のクォーターライフ・クライシスは幕を閉じたんです」
ヒロトさんは転職したことで、自分にはもっと高い目標があることにも気づき、ますます勉強に身が入ったと話してくれました。
いまはゆっくりではあるものの、独立に向けて着々と実績を積み重ねているのが楽しいんだそうです。
「もう過去は振り返らないと決めた」(29歳/女性)
「私は海外で働くのがずっと夢でした。でも英語は苦手だったし、彼に行かないでほしいと止められてしまったしで、その夢を諦めた過去があります。しかし自分の夢を叶え生き生きと働いている先輩や同僚を見ているうちに、クォーターライフ・クライシスに陥っていたんです。あのときやっぱり行けばよかった、英語をもっと勉強しておけばよかった、彼に言われても自分を貫けばよかった…そうやって、過去を後悔し続ける日々が続いたんです」
そんなとき、チヅルさん(仮名)は、このままではダメだと強く思うようになります。
「過去を悔やんでいても前には進めないと気づいたんです。あのとき行けなくて後悔しているのならいまから挑戦すればいいし、英語もこれから勉強すればいい、と前向きに考えたんです。そして…彼とはさっぱりお別れしました」
そうして前向きな思いを抱いたというチヅルさん。いまは海外赴任の切符を掴むべく仕事に励み、英会話教室にも通っていると言います。
「彼と別れるのは寂しかったけど、このまま付き合っていても成長できないなって思ったんです。私の人生は、私らしく生きたい。そんな思いがいまの私を作り上げてくれています。もう、何ひとつ後悔していません」