「人に頼ること」も大事(女性/42歳/セールス)
「私は離婚調停の申し立てをされた側、相手方でした。
元夫が主張する離婚の原因は私のモラハラで、『仕事ばかりで家事も育児もろくにしない、俺が犠牲になっている』と書面に書いてありましたが、実際は家庭の負担から逃げていたのは元夫です。
お互いに正社員で働いていますが、実績が認められ昇進し年収が自分を超えた私のことが気に入らず、話し合って決めていた家事や子どもたちの世話も残業を理由に放棄しては、私が睡眠時間を削ってこなしているのを黙って見ている状態でした。
元夫は離婚することになったのは私のせいだからと慰謝料を請求してきて、『これが目当てか』と思うと文字通り腸が煮えくり返る思いでしたが、子どものためにもと調停室では感情を抑えて冷静さを意識していましたね…。
同居している状態でいきなり調停を申し立てられたため、そのショックも大きかったです。
一人娘は、休日も出勤を理由に平気で家を空ける父親より私に懐いていて、調停の呼び出しの書面を受け取ってすぐに私は別居の準備を始めました。
仕事をしながら調停、引越し先の確保…とそれからは目が回るような忙しさで、両親は市外にいるため平日は頼れず、週末に来てもらってやっと私はちゃんと眠れるような状態でした。
離婚調停の相手方になったことは会社に話し、ずっと仲のいい女友達にも思い切って打ち明けたら、『昇進して忙しくなったって言っていたけど、大丈夫?私にできることはある?』とまず返してくれたのが本当にうれしかったです。
元夫については前から愚痴っていたので、『それで慰謝料って…本当に呆れるね』と一緒に怒ってくれて、一刻も早く家を出たほうがいいと物件探しや娘の転校先についても考えてくれました。
私はとにかく娘のことを第一に考えたくて、どうせ転校するなら少しでも安心して通わせられる小学校を探していたのですが、私の希望する小学校に実際にお子さんを通わせている友人から話を聞いてくれたり、本当に心強かったです。
両親も離婚に賛成してくれてほっとしましたが、『何かあったらすぐに言って』といつも伝えてくれる女友達がいなかったら、メンタルをまともに保てていたかどうかわかりません。
調停では、元夫の勤務の状態について退勤表を出すよう私から求めたのですがそれは断られ、私のモラハラを主張する割に材料が少なく、自分を正当化する証拠もない元夫の主張は、調停委員も首をかしげるほどちぐはぐなものでしたね。
不意を突けば私が折れて慰謝料を払うだろうと元夫は思ったのかもしれませんが、毎回しっかりと筋の通る主張をまとめて伝えることができ、慰謝料は払わず財産分与は平等、親権も私とすることを譲らず、最後は元夫のほうが折れて私の条件をのんでの離婚が成立しました。
人の気持ちを、人生を何だと思っているのか、自分に都合のいい主張ばかりする人間が得をするような離婚は絶対に許せません。
女友達とはいまもいい関係ですが、彼女に何かあったときは今度は私が支える側になるのだと強く思っています」(女性/42歳/セールス)
調停では、申し立てた側の本当に身勝手な主張を聞かされることがあります。
理不尽とわかっていてもそれに立ち向かうには相応の状態が必要であり、ひとりで生活を回しながらではいつか心が潰れてしまうもの。
そんなとき、手を差し伸べてくれる人は本当にありがたく大きな支えになりますよね。
助けを正しく受け止める姿勢が自分を救い、調停と向き合う心を強くしてくれます。
こんな友人は一生の財産であり、お互いに助け合うことができる関係を、これからも築いていきたいですね。
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