頭がお花畑の状態で好きになった相手と結婚し、専業主婦に。そして子どもを授かり子持ち主婦に。
割と女性にとってメジャーな人生であると思いますが、実際に経験してみると、「メジャーだから誰でもできる」「メジャーだから楽しい」わけじゃないことを痛感しました。
そう、わたしには向いていなかったのです。だけど、スタートしたらなかなか降りられない子育て街道。
必死で歩んできた16年を振り返って、子持ち主婦というもののリアルを前編でお話ししました。
後編の今回は、その「子持ち主婦」というものが、こんなに大変な割に社会的にはとても地位が低いよなぁと思ったことについてお話します。
ありきたりの「子持ち主婦」に世間は冷たい
こんな感じで人生の3分の1を駆け抜けてきましたが、主婦として子育てしながら感じてきたことは「やっぱ子持ち主婦って社会的地位が低いよな」ということです。
子どもが歩けないころはベビーカーで移動しますが、ベビーカーはかさばるだの、畳んで乗れだの言われつつ、やっと乗ったと思いきや、子どもがぐずって肩身の狭い思いをする。
駅についたと思ったら、エレベーターがはるか向こうで、めちゃくちゃ遠回りをしなくちゃいけない。
そんな時期を過ぎれば普通に階段を使えますが、それでも、以前のわたしが見ていた世界とは違う景色に見えました。
おチビな息子を連れたわたしは、誰もそう思っていないけれど、扱いとしては「社会的弱者」なんじゃないかなぁって。
ポテトサラダを買う子連れ主婦に「ポテサラくらい作ってやれよ」と言い放つオジサンがいたり、「おでんは手抜き」という誰かのツイートがあったり。
おいおいこっちは死ぬ気で毎日やってるのにうるさいよ、お前さんはその日々を過ごしたことがあるのかい?と詰め寄りたくなります。
わが家は集合住宅ですが、マンションのご近所トラブルも「子どもの騒音」がとても多いと聞きます。
築30年ほどで、新築で入居した人たちはすっかりシニアに。そりゃあ静かに過ごしたいのはわかりますが、子どもって「走るな!」と言っても走るし、「飛ぶな!」と言っても飛ぶんです。
そういうストレスが嫌で戸建てを買う家族もいますが、住み替えを視野に入れるとマンションはやはり住みやすい。
わが家は息子がおとなしい方でしたが、それでもトンと飛んだだけで「ボール遊びしてませんか?」としたの階の住民から苦情が来たときには冷や汗が出ました。…えっ、それだけで文句言われるの?
そのお宅には、もう大学生くらいのお嬢さんがいます。娘さんだから暴れなかったとは思いますが、なんか世知辛い世の中だなぁと思います。
ちなみにそのおうち、ペット禁止なうちのマンションで犬を飼っていて、本人たちは内緒にしているつもりでしょうが、夜はワンちゃんの鳴き声が響いてきてましたけどね。
なんかそういうのも、「子どもを静かにさせられないのは母親の責任」みたいな圧でしんどい。
たしかにいますよ、わたしのパート先でもめちゃくちゃ暴れて店のものを荒らす子に注意もしない母親。
そういうのを見るとわたしでも「オイ」と思いますけど、ほとんどの母は周りの世間様に気を使いながら子育てしてるんです。
もしかしたらその放置ママも、注意しても無理だと諦めの境地にいるかもしれません。
その点、欧米などは、「みんな子どもだったもんね」と、社会全体が子育てにとても寛容だと聞きます。最近話題の北欧なんかもそうらしいですね。
旦那さんの都合でオーストラリアで子育てした友人も、「ベビーカー押しているときに階段があると、どこからともなく人が現れて、サラリと持ち上げるのを手伝ってくれる」と言ってました。日本では、そういうのがすごく冷たいと言ってましたね。
「周りに迷惑をかけてはいけない」「自己責任」「母親なんだから」そんな空気がどうも漂っていて、小さい子連れというだけで何かと白い目で見られ、「生きててすいません」みたいな気持ちになることが多かったです。
子どもが大人になって犯罪を犯しても、母親がなぜか責められる。あのね、がんばっても思い通りに育たないのが子ども。将来までは責任取れないってば。
日本の出生率は下がり続けているのに納得。産んだが最後、こんなに責任ばっかり押し付けられるんだったら産みたくないよ。「できてあたりまえ」「母親なら当たり前」神話が浸透しすぎて、風当たりが冷たすぎるよなぁ。はぁ息苦しい。
小さい子連れの主婦の苦労は語りつくせないほどあるので、このあたりでとどめます。