閉鎖的な空気感がある「学校」
わたし自身はお仕着せの勉強が嫌だとかは思ったことがありませんでしたが、よくよく考えたら、中学校は嫌で嫌で仕方がなかったことを思い出しました。
特に中学時代、周りがどんどんヤンキー化していく環境のなか、勉強が好きだったわたしは浮いていて、必死に周りに馴染もうと努力していました。
それでも「がり勉」「メガネ」といじられ、変なあだ名までつけられて辛い毎日。中学最後の半年は、「あと何日行けば卒業」だと、カレンダーに×をつけていた記憶があります。
こんなにいじられるなら、いっそのことわたしもヤンキーデビューしてしまおうかと本気で悩んだこともありました。
当時、もし学校に行かない選択があったなら、わたしもその選択をしていたかもしれないくらい、嫌な経験です。
息子ものんびり屋で、小学生時代はいじられやすかったですし、あれこれ考えて、のんびりした校風の私立中学に入れました。
ですが、学校や友達が家から遠くなったせいか、プライベートで遊ぶ友達は皆無。学校で仲良くなっても「なんかめんどい」で終わっています。
オンラインゲームが大好きな息子なので、「クラスで同じゲームが流行っているなら場所を選ばないオンラインゲームで遊んだら?」と聞くと、「きょうこの瞬間の発言が、あしたの人間関係に響くと思うと面倒だから学校の友達とはやらない」そうで。完全にオンオフを分けるタイプなのかな。
そういった学校特有の閉鎖的な空気感も、息子に合わないのかもしれないなと思いました。私立中に入って、学校生活をエンジョイできるかもという親の思惑を見事に外してくれますが、そこはやっぱりわが息子。
わたしの周りにいるほとんどの子は、こんなに学校嫌いではないし、「うちの子は学校嫌いで」と言うと、ぎょっとするママもいます。
だけど息子の学校には息子よりも学校に来ない子がいて、その子と仲良くなったり、通じ合う瞬間もあるみたいだし、子どもたちの間ではあまり珍しいことではなくなってきているようだし、学校生活をエンジョイしきれなくても、その子たちなりの過ごし方があるんですよね。
学校になじまない性格なのはわかっていたし、逆に大人になれば自分の好きな道を探せるので、この子はきっと大人になったほうがラクに息ができるんじゃないかと思いながら育ててきて、やっと高校生。
大学生になれるのかは成績がアレなので微妙ですが、高校を卒業してそれぞれの進路に進んだ後は、自由が好きな息子には生きやすい世界であってほしいなぁと思います。
人生80年として、小学校から高校生まで12年。長い人生から見たら束の間ですが、いまの息子にはその学校生活がすべてです。
学校嫌いな息子を抱えて並走してきましたが、あとちょっとでトンネルの出口が見えるような気がしています。まぁ、その先がどうなるかはまたわかりませんが。
そんな感じで、手を変え品を変え、なだめすかしながら、ときにはゆっくり休ませながら学校嫌いな子を高1まで育てました。このやり方がよかったのかはわからないけど、とりあえず心は健全に育っているような気がします。
親が思うようには子は育たず。ときどきキラキラ優等生のお子さんを見ると「いいなー」と思うこともありますが、なんだかんだいっても、息子はわたしにとって最高に大事な存在。
これからどんな人生が待っているかわからないけれど、ときが満ちたら彼なりの花を咲かせられるように、試行錯誤しながらせっせとお世話をする毎日です。
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