苦手だからこそ…
いまもお盆とお正月には帰省し、母にも会っています。
しかしその理由は母方の祖母に会いたいという理由が正直大きく、それ以外はほとんど連絡もとっていません。
これから先、祖母がこの世を離れた後にも同じように母に会えるかは自分でもわからないのが正直なところ。
ここまで母のことを書いてみて、その内容から毒親だと思うかたも、反対に僕をひどい子どもだと思うかたもいるでしょう。自分たちがそう思わないだけで、実際どちらもそうなのかもしれません。
けれど読んでくださっているかたに母が毒親と思われようと、僕が親不孝者だと思われようと「僕と母」にはきっと関係ないんです。
冒頭でお話ししたように、大前提として母には育ててくれたことや治療を受けさせてくれたこと、大学に通わせてくれたことを感謝しています。
感謝しているけれど、苦手なものは苦手。苦手だからこそ、できることならば祖母が亡くなってからも避けるような関係性ではなく、親子として会いたいと思える関係性をお互いの努力のうえで築きたい。
大事なのは周りにどう思われるかではなく、お互いがお互いに向き合うことと、きちんと対話をすること。いまの僕と母にはそれが足りていません。
母に対してまともに文句が言えるようになったのも、この1年ほど。それまで母から叱られることはあっても親子喧嘩なんてしたことがありませんでした。
これまでの親子関係のなかで、お互いに本当の意味で向き合って来なかった結果がいまの希薄な関係性。
希薄な関係性ならば、僕から一方的に関係性を断ち切ることもできます。親子関係が断絶してしまっている家庭は、いまや珍しくはありません。
しかし、僕が母を理解しようと差し伸べた手を、丁寧に向かい合い掴んでくれるのなら。同じように母が僕を理解する姿勢を示してくれるのなら、寄り添える未来もあるのではと思います。
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