韓国在住6年目のHAZUKIです。韓国で日本語を教えながら韓国人夫と暮らしていて、在韓ならではのリアルな韓国事情をお伝えしています。
今回は韓国で一時話題になった「デンプンつまようじ揚げモッパン事件」についてお話します。
デンプンつまようじ揚げモッパン事件
韓国に来たことがある人なら、韓国で使われている「デンプンつまようじ」と聞くとすぐにピンとくるのではないでしょうか?
スーパーの試食や市場の食べ歩きでよく使われる、緑色のつまようじです。
原材料がデンプンで、体にも環境にも優しいというのがウリ。韓国で生活していれば、よく見かけます。
しかし最近、韓国のYouTuberがこのデンプンつまようじを油で揚げてモッパンするというジョッキングな動画をあげました。
モッパンとは、韓国語で食事系コンテンツを放送することを指します。「食べ物を食べるシーン」を指す「モグヌン」と、放送・配信するという意味の「バンソン」を合わせてできた「モグヌン・バンソン」を略して「モッパン」です。
ちなみに、韓国でつまようじは「イスシゲ」と言います。いまYouTubeで、韓国語で「イスシゲ」と入力すると、自然と候補に「揚げ物」「モッパン」と表示されます。それほど検索されているのですね。
あるYouTubeチャンネルでデンプンつまようじ揚げのモッパンが話題を集めてから、多くのYouTuberたちがこぞって関連動画をあげるようになりました。
本人たちは「体に毒はない」「意外とおいしい」「食感がいい」などと話していますが、世間の反応はあまりよくありません。
デンプンつまようじ揚げモッパンに対する韓国人の反応
このデンプンつまようじ揚げモッパン問題は国営放送のニュースにもなり、YouTubeを見ない世代にも知られるようになりました。
もともと口に入れても問題ないものなので、YouTuberたちも体には害はないとは言っていましたが、「だからといって食べていいわけではない」「子どもがマネしたらどうする」などの意見が寄せられていました。
また、デンプンつまようじを生産する会社の社⻑が「食べるものではない」「デンプンを使っているのは生ゴミとして出しても分解できるようにした環境への配慮であって、決して食用目的で作っているわけではない」と注意喚起をしました。
主成分自体はデンプンですが、色素などの体を害する可能性がある成分も入っているので、「たとえ一本でも食べてはいけない」と強調していました。
しかしYouTubeでは動画があがり続ける…
このような注意喚起や批判的な意見が多いにも関わらず、デンプンつまようじ揚げモッパン動画はいまでもアップロードされ続けています。
特にYouTubeのストーリーやInstagramのストーリーでひきつけて、動画視聴に繋げるには効果的なようです。
若い視聴者層にウケていて、YouTube以外でも個人でデンプンつまようじ揚げをして楽しむ様子をSNSで見かけることもあり、心配です。
これらの一連に関して調べてみると、デンプンつまようじ揚げが流行ったのは今回が初めてではなく、7年ほど前に中国から始まり、そのときも韓国で流行したこともあったそうです。
今回流行したのは、人々が刺激的なことに慣れすぎてしまって、「もっともっと」と刺激を求めるようになったことも、少なからず影響しているのでは…というのが専門家の見解でした。
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