20歳年上の夫と高校2年生のマイペース息子と暮らしている、アラフィフ主婦ライター・塩辛いか乃です。
突然ですがわたし、「花粉症」という名前が世に広まる前から花粉症でした。そしてわたしの息子も同じく花粉症とアレルギー持ち。
そんなわたしたち親子、昨年から「舌下免疫療法」というアレルギーを根治する治療法にチャレンジしていますので、きょうはそのことについてお話しします。
強烈な目のかゆみと止まらない鼻水
まずはわたしの花粉症発症の話から。
わたしは北関東の山のふもとの高校に通っていたのですが、ある日突然、強烈な目のかゆみと止まらない鼻水に悩まされ始めました。
当時は知識もなく、なぜこんなに鼻水が出るのかわかりませんでしたが、したを向いた瞬間にも鼻水がぼたぼた垂れるので、どうにかせねばと薬局に行って鼻水を止める薬を適当に買い、適当に飲みました。
すると鼻水は収まったのですが、それと引き換えにものすごい眠気に襲われて…。
当然、授業中は爆睡。そして喉はカラカラになり、鼻水まみれと眠気まみれ、「どっちがいいのかわからん」という状態で毎年過ごしていました。
なんだかわからないまま月日がたち、スギの花粉症というものが流行っていると知ったのは、もう就職して大人になってからだったと思います。
それでもフィーチャーされていたのがスギの花粉で、時期は3月ごろ。わたしは毎年5月くらいに症状が出るので、違うと思い込んでいました。
けれどあるとき別の用事で耳鼻科を訪れた際、スギ以外の花粉でも花粉症はあると聞き、おそらく症状を聞くに花粉症は間違いないであろう、そして時期的にヒノキかイネ科だろうと言われました。
言われたからと言って当時は根治する方法がなく、対症療法として症状が出る時期に薬を飲むしかありません。
時代を経てかなり眠気が収まる薬が増えてきましたが、わたしの花粉症は症状が出てしまうと薬なんてまったく効かず、ひたすら鼻が垂れないようにすするのみ。
鼻をすすりすぎて過呼吸になるので、この症状が出る期間は本気できついのです。
アレルギーの血液検査があると知って近所のクリニックに相談したことがありましたが、「アレルギーがわかったところで治らない」とお医者さんに言われてしまいました。
それもそうかと思って放置していましたが、ある病院では「風邪」と言われて風邪薬が出されたこともあり、一度ちゃんと調べようと検査を受けることに…。
すると「カモガヤ」というイネ科のアレルギーであることが判明。長年の謎がやっと解けた瞬間でした。
そして、息子も…
そして、生まれた息子もアレルギー持ちだと判明。小さい子どものアレルギーは発症すると大ごとになるので、かなり慎重になっていました。
特に食物アレルギーなどに警戒していましたが、食べ物での反応はなく安心。
息子が小さいころは一人暮らしの母の家によく泊まりに行っていました。
我が家はマンション住まいでドスドス暴れると下層階に迷惑がかかるのではないかと気になりますが、母のアパートは1階。
狭い部屋ではありましたが、したの階に気を遣わずにソファから布団に飛び降りたり思い切り遊べたし、わたしも母が息子と遊んでくれている間に息抜きができたので助かっていました。
ですが、息子が3歳くらいだったある日。母の家で寝ようとすると、息子が変な咳をしています。鼻水も出ていて、苦しそうな咳。
その日はなんとか寝かせましたが、翌日あわてて小児科へ。
病院を怖がる息子をなだめながら診察すると、おそらく喘息の傾向があるでしょうとのこと。家では咳き込んだこともなかったので驚いてしまいました。
ひとまず気管支を広げる貼り薬をもらい、その後は寝る前に貼ると落ち着いて眠れましたが、やはりあの症状を見るともう少し詳しく調べてもらったほうがいいのではないかと思い始めました。
その後も何度か母の家に行きましたが、家では出ない喘息症状が、母の家に行くと出るのです。
これはやはり原因を調べたほうがいいと、ネットで調べて子どものアレルギーに強い小児科を調べて診てもらうことにしました。
息子は周りの子よりも特段怖がりで慎重。「何するの?怖い!」と病院に入る前から泣いている状態で、連れていくだけでも大変。
診察すると先生はとてもやさしい先生で、子どもにも親切。ですが、やはり症状からしてアレルギーと思われるので血液検査が必要とのこと。
問診でさえ怖がっているのに針を刺すなんて、トラウマにならないかと心配でしたが、調べないことには前に進みません。
わたしにぴったりくっついて離れたがらない息子を看護師がやさしく引きはがし、採血室へ連れていかれる息子。
「何するのーーーー!?」「こわいーーーーー!」と泣き叫ぶ息子の声だけ聞こえてきて、わたしまで泣きそうになりましたが、そこはプロ、先生と看護師さんがなんとかなだめて採血してくれました。
先生いわく、小さい子は血管もものすごく細いし動いてしまうので採血自体がかなり難易度が高いとのこと、だからあまり検査をしたがらない医者が多いという話を聞いてなるほどと思いました。
そして結果を聞きに後日病院へ。息子には「きょうは絶対にお話を聞くだけだから大丈夫だよ」と言って連れて行きました。
気になる結果は「クロ」。花粉のアレルギーも少しありましたが、それよりもハウスダスト(ダニ)のアレルギーの数値がすごすぎてグラフの枠に収まらず、振り切っていました。
先生も結果を見て「こりゃあ辛かったでしょうね」と言って、「母の家に行くときにはこれを飲むように」とアレルギーの薬、喘息の薬を処方してくれました。
家では症状が出ない謎は、どうもわたしの家ではベッドで寝ていて、母の家では畳に布団で寝ていたことが原因のようでした。
しかも母の家の布団は昔ながらの綿布団。畳も布団もダニの温床になりやすい場所です。
ベッドはマットレスもスプリングが入っており、母の家の綿布団に比べればダニの数も全然違うでしょうし、母の家でだけ症状が出るのはそれが原因としか考えられません。
先生からは「とにかく布団に掃除機をかけてね」と指導され、布団に使える掃除機のノズルを購入。
母の家に行ったら、すぐに布団乾燥機をかけてから掃除機をかけ…という作業が発生しました。
ちなみに母は戦争経験者で、疎開先ではドブのようなところで泳いで遊んでいたりと耐性がものすごくて「アレルギー」という概念が理解できないようでした。
丁寧に説明してもなかなかわかってもらえず、布団に掃除機をかけるようお願いしても「毎日布団は干してるよ!」と不満げ。
ダニのアレルギーは、干した布団で死んだダニの死骸に反応しているので、干しただけでは不十分なんですよね。
しっかり布団に掃除機をかけて寝ると、少しはマシかなという程度になりましたが、それでもやはり症状が出てしまいます。
ダニ防止のシーツを買ったりあれこれ試しましたが、結局母の家にいるときだけアレルギー薬を飲むという対策が一番効果があったように思います。
そして息子が大きくなり、中学生になったころでしょうか。家でも鼻水をズビズビと垂らすようになりました。
花粉の季節に限らず、年がら年中です。寝てるときよりも、起きているとき、ダニもいなさそうな学校のなかでも鼻水がさく裂。鼻水が気になって頭がぼーっとしてテストができないなんてこともありました。
あまりにひどいので何件か近所の耳鼻科を回りましたが、どこもアレルギー薬を出してくれるのみ。
なんとなくやりすごしながら数年経ちましたが、いよいよ高校生になり、受験時に鼻水で受験失敗となるとシャレにならない、もう少し何かできないかと探していたところ、知り合いが「舌下免疫療法」をしたら効果があったと教えてくれました。