「舌下免疫療法」とは
舌下免疫療法とは、アレルゲンを含んだタブレットを舌のしたに含んで少量ずつ体内に入れ、アレルゲンに対して免疫をつける治療法。
毎日1錠服用して、最低でも3年間続けることが必要とされると聞いて「3年も続かないかも」と思いましたが、とにかく一度きちんとしたアレルギー科で診てもらおうと決意。
あちこち探して行けそうなところを予約しました。
わたしも自分の花粉症を長年放置していましたが、このタイミングで自分もなんとかしたいと思っていたので、親子で予約。
息子は相変わらず病院が怖い人なので、一緒に行くのがベストだと思いました。
なんだかんだで大きな病院に行くのは時間がかかります。さらに採血と結果を聞きに行き、治療もするとなると負担が大きいと思ったので、息子の夏休みに思い切って病院を訪れることに。
アレルギー科ではまず問診、そしてもちろん採血です。
結果、息子はやはりダニのアレルギーは計測不能のMAX値。そしてスギ花粉も中等度のアレルギーがありました。
さらに一時期モモが大好きで食べていましたが、ある日「喉がかゆい」というので食べさせていなかったことを伝えると、果物アレルギーも増えているとのことで果物も調べてくれて、なんと息子は想像していた桃アレルギーはもちろん、りんごのアレルギーまで判明。
りんごは大好物で、昔からよく食べていましたが、アレルギー反応は出ていなかったのに…。
先生に聞くと、血液検査でアレルギー反応が出ても症状が出ない場合もありますが、食べ続けると発症することがあるので、今後はできるだけ避けてねとのこと。
その後調べると、加熱したジャムなどは大丈夫のようですが、りんご生絞りジュースとか生のものは厳禁だそうで…このタイミングでわかってよかったです。
そしてわたしは、以前調べた通りカモガヤの数値は中等度のまま。そして以前は反応が出ていなかったスギまで中等度の反応が出てしまいました。
そういえばここのところ、カモガヤの季節よりずっと早く目がかゆくなり、お花見に自然公園なんて行った次の日にはもう目がかゆくて鼻もかゆくて何もできない状態でした。
血液検査上は反応はさほど強くないと出ますが、使い物にならないほど症状がひどいのはなんとかしたいところです。
その先生はアレルギー専門医なので、舌下免疫療法のほかに皮下注射で治療する皮下免疫療法もやっているとのこと。いろいろ話を聞きました。
そして舌下免疫療法は、対応アレルゲンがスギとダニしかないとのこと。わたしのようなマニアックなカモガヤなどは薬がないそうです。
とにかく息子のダニアレルギーをなんとかせねばというのが第一優先だったので、ダニアレルギーの治療はできそうで安心しました。
そしてスギも、わたしと息子は保険適用される中等度なので保険で治療可能とのこと。
そのほかにもさまざまな治療法を聞き迷いましたが、舌下免疫療法は安全性が高くて子どもでも安心して行える、家で毎日は面倒だが3カ月に一度程度の通院でよいとのことでやってみることにしました。
わたしはカモガヤの対策はできませんが、スギが楽になるだけでもありがたいので一緒に始めることに。一緒にやったほうが飲み忘れも少ないと思ったのも理由です。
先生によると、「効果には個人差があるけれど、まぁ大体の人は改善する」。そして、「完全に症状が出なくなるまでは3年ほどかかるけれど、最初の半年くらいで少しよくなってくる人も多い」とのこと。
息子はダニとスギ両方の治療が必要でしたが、一気には始められないとのことでスギからスタート。3カ月後にダニの治療をトッピングするとのことでした。
「舌下免疫療法」実際どんな治療だった?
治療を決めると、薬剤師からの詳しい説明を受けます。安全な薬とはいえ初回はアナフィラキシーの可能性もあるため、医師の立会いの下に服用し、30分間何もなければ帰ってよしとのこと。
息子と2人で「せーの」と口に入れました。ほとんどの人が何もないとはいえ、初回口に含むときは緊張しました。けれど「ちょっとかゆいかな」程度で何事もなく終了。
最初の1週間はアレルゲンの含有量が少なく、その翌週から量を増やし、そのまま同じ薬をずっと飲み続けます。
3カ月くらいまでは、かゆみなどアレルギー症状が出たりすることもあるので、お風呂前には服用を避けるなどいくつか注意事項がありましたが、ときどき「なんかきょうはかゆいな」と思うことはあれど、特に何事もなく服用を続ける毎日。
そうこうするうちにあっという間に3カ月が経ち、息子はダニの舌下免疫療法も開始。
同じように初回は医師立会いのもとで服用し、無事クリア。自宅で2つ服用しています。
薬は直接舌下に入れるのですが、スギのお薬はほぼ無味無臭。ラムネのようにふわっと溶けるまで1分舌下に置くだけ。その後5分くらいは水を飲むのを我慢して…という感じ。
ちなみにわたしは服用したことがないダニ用は息子いわく「なんともいえないまずさがある」とのこと。ただ我慢できないほどではないので頑張ってもらいたいところです。
3年と考えると気が遠くなりますが、いざ始めてみるとあっという間。服用し忘れないように洗面所の目立つところに常に置いて、寝る前に必ず服用するようにしています。
風邪をひいたり具合の悪い時は中止してよいとのことで、意外と気長に続けられるので負担としては最初に考えていたよりかなり楽です。
こんなに楽なのだからいろんな病院で治療できるようにすればいいのに…と思いましたが、近所のクリニックで聞いてみたところ、やはり最初の導入はアナフィラキシーショックを起こした場合に救急搬送になってしまうので、救急対応ができる大きな病院でしかやれないとのこと。
アレルギーは重篤な症状が出たときの対処を誤ると命を落としかねないので、そこは慎重になるようです。なるほど。