こんにちは、精神科医・心理研究家のゆうきゆうです。発行しているメルマガでは、人間心理を裸にして、あやつる技術をお教えしています。
突然ですが、あなたは常に、前向きに努力ができますか?それとも、ついついサボってしまいますか?
もし「努力するのはあまり自信がない…」と思うのなら、ぜひ最後までご一読ください。
「ダマす」のは成功の第一歩!?
実はアメリカのコルゲート大学のジョアンナ・スタレックは、多くの水泳選手を対象に、大規模な調査を行いました。
そして、大会に出場するほど実力が高い水泳選手と、そうではない水泳選手に、「大きな違い」があることを発見したのです。
それは、実力が高い水泳選手ほど「自分をダマす能力が高かった」ということ。
この「ダマす」というのは、たとえば練習で苦しくなったときに「自分はぜんぜん大丈夫!まだいくらでもやれる!」などの自己暗示をかける、というようなこと。
どんなに練習量が増えても、または大会でピンチになったときも「オレは問題ない!こんなの余裕だ!」などのポジティブな自己暗示を何度も繰り返す傾向が高かったのです。
逆に実力が低い選手ほど、そう自己暗示をかけることは少なく、「あぁ、もうダメだ…」「疲れた…苦しい…オレはここまでだ…」なんて風に自分に言い聞かせたりしていました。
これ、非常におもしろい調査だなと思ったのですが、いかがでしょうか。(参考:面倒くさがりの自分がおもしろいほどやる気になる本)
人間にはまだ余裕がある
たとえば、走ってみると心拍数が上がり、苦しくなってきます。
すると「あぁ、つらい、もう体の限界だ、やめるべきだ」と思えてくるものです。みなさんも経験があるのではないでしょうか。
これは、ムダにエネルギーを消費するのが、生き物にとってあまりよくないという本能です。
野生動物も、獲物を追ったり、敵から逃げたりするときは全力疾走しますが、そうでないときに、ムダに走ったりすることはありません。
マラソンやジョギングするライオンやゾウなんて想像できませんよね。基本的には休み、動かず、体力を取っておきます。
特に野生では、いつ食事がとれるかわかりません。だからこそ、エネルギーを保持しておいた方が、生存にとって有利なのです。よって、ムダな運動はしないわけですね。
これは人間も同じ。だからこそ、少しでも走ると苦しくなり「もうやめたい、もうダメだ」と思えてくるわけです。
しかし、です。実際の命のエネルギーは、意外にもっと「余裕」があります。
事実、よっぽどの疾患があるなどならともかく、一般的な人が走り続けただけで、死んでしまったりすることはありません。
我々はかなりの「余力」を残しているのです。もちろん、毎日食事を食べられるという前提だからですが。
これは運動だけでなく、勉強や仕事などでも同じです。どれだけ勉強や仕事をしても、それだけで倒れてしまうということはありません。
よっぽどのブラック企業で、自分の希望しない仕事を強制されていて、睡眠も数時間、食事もロクにとれない…などの状況ではじめて起こることです。
特に、自分の意思で勉強や仕事をしていたという状況で過労死してしまった…なんて事例はそうそう聞きません。
我々は、十分に余力を残しているのです。
神話でも動物でもアリ!
よって、自分をダマしたり、自己暗示をかけて、より行動を積み重ねていくことで、実際の実力もどんどん上がり、色々な物事で成功を収めやすくなります。
ですのであなたも、いくつかポジティブに自分をダマしてみてはいかがでしょうか。
とはいえ、「具体的にどうダマせばいいの?」と思うこともあるでしょう。このとき、セリフは何でも構いません。
「オレは何でもできる!」「まだまだ余裕!」「ぜんぜんパワーが残ってる!」「あと2時間でも3時間でもやれる!」「自分の力は、まだまだこんなモンじゃない!」
なんて言葉などはアリではないでしょうか。
もちろんそういうシンプルな言葉だけでなく、ポジティブな「なりきり」や「空想」などもよいと思います。いくつか列挙してみましょう。
「オレは『天才』だ!」「私は『最強』だ!」
まずは、自分自身が、人として素晴らしい能力を持っているという暗示。シンプルながら気持ちを動かしてくれます。
さらには、「自分には『雷の神様』がついている!」「私は『風の精霊』だ!」「『電光石火の女神』が守ってくれている!」など、神さまや神話などに関連した空想。
特にその神様に『速さ』を象徴したイメージをもたせると、大きく行動しやすくなります。
もちろんもっとシンプルに、「私には『チーター』がついてる!」「僕は『豹』の化身だ!」など、速い動物のイメージなどでも有効です。
子どもっぽくても構いません。あなた自身が「こういうイメージを持ったら何より心地よい、行動しやすい!」と思うイメージを浮かべて、自分に言い聞かせてみてください。
周囲もダマしてみよう!
また自分で自分をダマすだけでなく、周囲をダマすのも有効です。
「僕、勉強楽しいんだよね」「この仕事、大好きなんだ」「走るのが趣味になってきた!」「ピアノをするのが、何より安らぐんだ」
そんな風に、自分自身がやりたいことや目指していることを、まさに自分にとって天職であるかのように、周囲に伝えてみてください。
もちろん、「いや実際そこまででは」と思っていても構いません。
周囲にたいしてそう言い聞かせることで、何より自分にたいしての自己暗示になります。
結果、その練習や勉強などがより楽しくなって、エネルギッシュに行えるはずです。
また周囲にそう伝えると、周りの人も、あなたのことをそのようなイメージで見てくれるようになります。
結果、その「目」があるため、サボりづらくなったり、より努力を続けやすくなっていきます。
自分のことも、周囲のことも、いい意味でダマしていくことが大切なのです。
最後に…
以前にも紹介しましたが、作家マーク・トゥエインが残した、こんな言葉があります。
誰も見ていないかのように踊りなさい。一度も傷ついたことがないかのように愛しなさい。誰も聴いていないかのように歌いなさい。この世が天国であるかのように生きなさい。
この世のなかが、実際に天国なのか地獄なのかは、わかりません。
ただそれは結局、「決まっている」のではなく、「あなたが決める」ことなのではないでしょうか。
試しにここは天国で、あなたはそのなかを楽しみ、最強の力で生きていると思ってみてください。一言でもいいので、自分に言い聞かせてみてください。
そうすれば、世界もあなたも、そう変わっていくものですよ。
- 参考:面倒くさがりの自分がおもしろいほどやる気になる本
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