急に怒りだしたり、些細なことをいつまでも責めてきたり、感情が安定しない母親と過ごすのは常に苦痛がつきまとうもの。
いわゆる「ヒステリー」の傾向が強い母親は、自分の気持ちをコントロールする強さがなく、違和感に耐えられずすぐに怒りを表に出すのが特徴だと言われています。
緊張を強いられるような母親といれば自信も自尊心も失われていくため、自分から心の距離を作っていくのが肝心。
ヒステリックな母親はなぜそうなるのか、どう対処すればいいのか、お伝えします。
ヒステリックな母親の特徴
極端な例で言えば、お皿の洗い方ひとつでも気に入らなければ声を荒げて不満をぶつけるのが、ヒステリックな母親です。
本当にお皿の洗い方がおかしいのかどうかは関係なく、「自分が嫌だから」と思えば何でもそれは「間違い」になり、嫌な思いをさせる相手が悪いと決めつけます。
感情のコントロールができない「ヒステリックな母親」には、以下のような特徴があります。
1.怒りの沸点が低い
「何があって怒りが湧くか」は本当に人それぞれですが、ヒステリックな母親の場合は小さなことでも「おかしい」「傷ついた」と思ったらすぐにカッとなります。
自分が覚える違和感がすべて怒りにつながるのは、感情の出し方がそれしかなく、たとえば相手に「これはどうして?」と冷静に確認する強さがありません。
ヒステリックな母親は、物事の真実や状態に関係なく「不快にさせられる自分」に耐えられないため、怒りの沸点が低いと言えます。
親子関係では、ヒステリーを起こしやすい母親にとって身近な子どもこそ感情をすぐに左右され、「また怒らせた」とすぐに怒鳴ります。
子どもは自分とは別の人間であり、自分と等しく感情や考えを持つ存在なのだと正しく認識できないのですね。
2.考え方が極端
娘に皿洗いを任せたら自分が気に入らないやり方をして腹が立ち、「将来ろくなお嫁さんになれない」と勝手に決めつけたり、イライラがエスカレートして「頭の悪い子」などと貶めたり、ヒステリックな母親は些細なことを大げさに展開しては極端な結末を持ってきます。
ネガティブな想像ばかりふくらませるのは、怒りの感情のせいで正しく状況を判断する力を失うからですが、極端に悪い現実を口にすることで自分の溜飲を下げているのでしょう。
ヒステリックな母親は起こった出来事を前向きに転換する力がなく、おかしな方向にばかり「こうなるに違いない」と思い込むのは、怒りの感情の発散に攻撃を選ぶからです。
自分にこんな思いをさせた相手を悪いと決めつけるため、まるで呪いのように極端な状態を口にします。
3.相手の話を聞かない
何かあると大げさに取り上げて声高に責めてくるヒステリックな母親は、子どもの話にまったく耳を貸さないのも特徴です。
自分より未熟な存在である子どもの声に価値はなく、常に自分の考えが正しいと思い込んでいます。
子どもが何を言ってきても「言い訳」であり、否定するのが当たり前。それによって自尊心が傷つく子どもの内心は想像できません。
ヒステリーが発動するとその怒りの解消をしない限り気が済まず、そこに相手の意思や気持ちなどは無用なのですね。
ヒステリックな母親は、子どもが「自分の話を黙って聞いて受け入れる」流れでないと満足しないため、こちらの気持ちを聞く姿勢を期待することは難しいと言えます。
「ヒステリックな母親」の対処法
母親がよくヒステリーを起こすような人間だと、何をするにもその顔色を伺うのが当たり前になり、常に緊張から逃げられません。
ヒステリックな母親の対処法として第一に考えないといけないのは、「その状態は異常なのだ」と正しく理解することです。
頭ごなしに責められればどうしても「自分が悪い」と思い込まされますが、ヒステリーを起こすのは自分ではなく母親の問題。
具体的に、どんな対処法があるのでしょうか。
1.母親のヒステリーを正面から受け止めない
「これはどういうことなの!?」と自分について母親がヒステリーを起こしたら、その剣幕に心がひるむのは当然。
ですが、理不尽に怒りをぶつけてくる姿をまともに受け止めると、自信を失う一方になります。
「また勝手に怒りだしたな」と思ったら、受け止めるのではなく聞き流す、一方的に設定された「自分が悪い」という流れは徹底的に無視します。
「これは母親の問題」と思い言葉を返さない、目を合わせない、コミュニケーションをあえて取らないことで自分の心を守りましょう。
それを見て母親がさらに怒りをぶつけてくる可能性がありますが、ヒステリーに応えてしまうといつまでも怒りの解消をぶつけられる役目から逃げられません。
聞き流すのは自分の自尊心を守る正しい手段であり、その姿勢を貫くことで母親も相手にされないとわかりヒステリーを起こしにくくなります。
理不尽なことは、親でもあっても「No」と思ってもいいのだと、忘れたくないですね。
2.「従わない」勇気を持つ
ヒステリックな母親の場合、自分が気に入らないことで「皿洗いのやり直し」などを命じてくることがあるかもしれません。
本当に自分のやり方に問題があるのなら考えないといけないですが、ただの八つ当たりのような要求は、従わないことで母親との間に境界線を引きます。
早くその場を切り上げたくてつい従ってしまうという人も多いですが、その姿が母親の「自分の怒りは正しい」と思う間違った認識を強くします。
何か言い返せばまたヒステリックに言葉をぶつけてくると思ったら、黙って立ち去る勇気も大切です。
「従わない」という結末を繰り返せば、母親はヒステリーを起こす意味を見失います。
親子であっても違う人間なら当然に境界線はあり、母親の一方的な怒りには付き合わないことで、自分の気持ちを守りましょう。
3.自分の気持ちははっきりと伝える
ヒステリックな母親の場合、普段からまともな会話でのコミュニケーションが難しいことが多々あります。
こちらばかりが機嫌を見ながら言葉をかけることが多く、自分の本音や本心などはなかなか口にできません。
わかってもらおうとするほどに傷つくのが現状なら、理解を求めるのではなく「ただ伝える」だけを目指すのも、自分のためです。
皿洗いのやり直しを言われたら、「私はこれでいいと思うから」ときっぱり口にしてその場を去ります。
それを聞いてどう思うか、こちらが母親の気持ちを考える必要はありません。
ヒステリーは母親の問題であり、その責任を負わされる理由はこちらにはなく、自分の意思を大切にする意識を持ちましょう。
ただ伝えるだけであっても、従わない姿がヒステリックな母親に境界線を示すことになります。
親子関係を間違った「支配」にしない
なぜ母親はいつもヒステリックに自分を怒鳴りつけるのか、何かあったときに対話ではなく一方的な怒りを平気でぶつけることができるのか、そこには「支配」があります。
「子どもは自分に従うもの」という思い込みは、何よりも自分の心が自立できていない証拠です。
親子であっても同一ではなく違う存在であり、それぞれに自尊心や感情を持つ人間であることを、まずこちらが忘れてはいけません。
親のヒステリーは子どもへの依存であり、理不尽な怒りをぶつけるのは支配したいから。それにきっぱりと「No」を示すのは、親を拒絶することではなく自分の自尊心を正しく守る姿勢です。
親子関係を間違った支配にしないためにも、ヒステリックな母親とは心理的な距離を置くことを考えましょう。
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