こんにちは。韓国在住6年目、日本語教師でライターのHAZUKIです。在韓ならではの生きた韓国情報をお届けします。
日本でも少子化問題が浮き彫りになっていますが、韓国内では「このままでは韓国がなくなる」との声もあるほど深刻です。
今回は韓国の少子化がどれほどなのか、また韓国の少子化対策についてお話しします。
韓国の少子化問題
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韓国の少子化が深刻化し始めたのは2000年代前半からです。(参考:人口問題研究所)
韓国の出生率はOECD加盟国のなかでも最も低く、2022年の合計特殊出生率は0.78、2023年は0.72でした。そして、これからは0.6台に突入するとも言われています。
韓国は高齢化も進行しているので、子どもはかなり少ないにもかかわらず、多くの高齢者を支えなければいけない、いびつな人口分布。
小学校で撮影された6年生と1年生が並んでいる写真がSNSに投稿されたのですが、目に見えて1年生の人数が少なくなっていました。
このように、日常生活でも少子化を感じることが多々あります。
いまは、「経済的な余裕がない」ではなく…
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韓国では特に「経済的な余裕がない」という理由で子どもを持たない人が多く、「自分たちの生活だけで精一杯」という声がよく聞こえていました。
しかし最近では、「お金があっても子どもを持たない夫婦」が増えてきました。
その理由としては、「子どもを育てる将来が不安だから」「自分たちの幸せを優先したい」といったものがあります。
未来に対する漠然とした不安感が、少子化を加速させているようです。
韓国政府の少子化対策
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韓国政府も、この少子化問題に対してさまざまな対策を講じています。
たとえば過疎化地域では、子どもが生まれると住宅支援や医療費補助なども含む特別手当が支給されます。
また、育児休暇を取得しやすい環境も整ってきており、大企業だけでなく中小企業でも育児休暇が取りやすくなっているそうです。
さらに一部の企業では、子どもの大学費用まで支援する福利厚生制度を導入しているところもあります。
筆者が日本語を教えているある生徒は、「子どもがインターナショナルスクールに通う授業料も会社が負担してくれる」と話していました。
韓国政府も諦めた…?
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それでも、少子化は進行中。政府の努力にもかかわらず、出生率は右肩下がりのままです。
最近では少子化対策だけでなく、外国人労働者の誘致やAI化に力を入れる政策も見られます。
日本の少子高齢化に対する取り組みや対策が、韓国でも多く参考にされていることも注目すべきポイントです。
ただ、あまりにも韓国の方が短期間で問題が深刻化しているため、数年後には日本の記事でも「韓国ではこのような対策がある」「日本で取り入れてもいいかも」なんて内容を見る日が近いかもしれません。
韓国の少子化問題は、非常に深刻。日本よりも早く人口減少が進む可能性があります。
政府もさまざまな対策を行ってはいますが、将来的にはAIや外国人労働者への依存度が高まるかもしれません。
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