OECD(経済協力開発機構)が2021年に公開した調査によると、日本は対象33カ国のなかでもっとも睡眠時間が短く、眠らない国として知られているそうです。
肌の生まれ変わりであるターンオーバーが促進されたり、肌のバリア機能が修復されたりと、健康面ではもちろん美容の面でも睡眠は欠かせないもの。
なんと睡眠不足になると汗や皮脂の分泌量が増えたり、代謝機能に悪影響があるという報告もあるそう。
そこできょうは、コーセーと東海大学理学部化学科の関根教授が共同で研究した「睡眠と肌からのにおい成分の関係」から判明したショッキングな調査結果をご紹介します…!
睡眠状態の評価と肌のガス成分(皮膚ガス)の解析
まず、実験参加者として「よく眠れる日と眠れない日がある」と自覚のある20~30代の男女4名を選抜。
実験期間中は禁酒・禁煙等の一定の制限はあるものの、睡眠には制限を設けず普段通りの生活を送ってもらいました。
本研究においては、よく眠れたかどうかを客観的に判定するために「睡眠状態」を評価しているそうです。
そのために、参加者には睡眠時に腕時計型のデバイスを装着してもらい、睡眠時間、入眠のしやすさ、睡眠中に起きてしまった回数などを計測。
また、起床時にアンケートによりよく眠れたかどうかを主観的に評価してもらい、それらの数値から総合的に睡眠状態の良好・不良を判定しました。
次に、肌から発生するガス成分(皮膚ガス)を採取するため、起床後30分以内に首筋にカップ型の採取器を自分で装着してもらい、皮膚ガスを捕集。
捕集した成分はガスクロマトグラフィー/質量分析計により、皮膚ガスに含まれる成分の特定および、それらの成分の定量を実施。
皮膚ガスの捕集は7日間行い、得られた睡眠状態と皮膚ガスの結果からその関係性を解析しました。
睡眠状態と関連するにおい成分を発見
睡眠状態と皮膚ガス成分の発生量の相関分析により、「ジアリルジスルフィド」に睡眠状態と相関があることが判明したそう。
「ジアリルジスルフィド」の成分はニンニク臭の主成分として知られており、睡眠状態が良好なときは50cm離れた場合にほぼ感じない程度の発生量であったのに対し、睡眠状態が不良であったときはにおいを感じられる水準まで発生量が増加。
このことから、睡眠状態と特定の皮膚ガス成分の発生には関係があることが明らかになりました。
ということは、良質な睡眠をとることは、体臭ケア方法のひとつとしても有効であるということ。
寝る直前までのスマホや規則正しい生活、定期的な運動習慣、就寝前の2~3時間前に入浴するなど、良質な睡眠をとる意識をしていきたいですね…!
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