新型コロナウイルスの感染拡大を受けて発令された緊急事態宣言から1カ月以上が過ぎました。仕事の見通し、連日流れるニュースなどで不安が増大し、かといってストレスを発散させることもなかなかできない。そういった「コロナ疲れ」から、「コロナうつ」に進んでしまう方もいるかもしれません。
そんなときは、少し怠けていい。少し休んでみてください。今回は、緊張感とゆっくりのリズムの大切さ、そして心がモヤモヤするときの対処法をお教えします。
「がんばる」「なまける」を、まぜたくらいがちょうどいい
「ちょっと、怠けたいなあ」と思うときは、無理をしないことです。何もしないで怠けているほうがいいでしょう。「怠けたい」という思いをひそませながらでは、いくら頑張ったところで効率は上がりません。
懸命に走ってきたつもりでも、後ろを振り返ってみれば「なんだ、まだ、これだけしか進んでいないのか」ということにもなりかねません。「遅れを取り戻さなければ」とまたあわてて走るのですが、「怠けたい」という気持ちが背中を引っ張るのです。
結局、疲れるだけでどんんどん時間を食ってしまう。「怠ける」と思うから、いけないのです。「ちょっと休むだけ」と思えばいいのです。
プロ野球の先発ピッチャーは、すべてのバッターに全力投球するわけではないそうです。「このバッターには少し手を抜いてもいいが、次のバッターには注意しないと」と、力のだし加減に強弱をつけます。
「この場面では全力でいかないと。しかしここでは、そうがんばらなくてもいい」と、場面によって力の入れ方を変えていくのです。すべてのバッターに対し、すべての場面で全力投球していたのでは、スタミナが持ちません。途中で力尽きてしまいます。
「一帳一弛(いっちょういっし)」という言葉があります。気持ちを張り詰めるときもあれば、ゆったりとした気分でいるときもある。ゆったりしていたかと思ったら、また「よし、やるぞ」と気合を入れる。人生で大切なのは、この緊張感とゆっくりのリズムなのだと思います。
いわば上手に怠けていくほうが、効率がいいという結果になるのです。自分なりのスタミナ配分を考えて、バランスよく「完投」するのがいい人生になるのかもしれませんね。