自分で作った悪循環は、自分で治せる?
赤ちゃんにはすごい生命力があります。どんな状況でもなんとか生きようとする、究極的にすごい存在です。人間の生きる本能は本当に強いもの。それを考えたら、生きる気力を失うというのは思い違いなのかもしれません。間違ったこだわりを生活のなかで、続けてきた結果なのだと思います。
「空気が読めない自分はダメ」「こんな弱い自分はダメ」などです。ということは、その思い違いを自分のプラスになるように変えてみることで、完全にその人は生きやすくなると保証されているのではないでしょうか。その根拠が「赤ちゃんにうつ病はない」「赤ちゃんは自殺しない」ということです。
私は、うつ病になるのは知的能力が高く察しが良い人が多いのだと思います。なぜなら、頭を働かせて想像したり、考えたりしないとそういう状態にはなりませんから。いい換えれば「生きること以外のことを考える能力が高い」ということでしょう。
どうやって生き延びるかという部分は、原始的な脳がつかさどっています。そこよりも、後から発達した大脳新皮質の働きが活発になってくると「なんで?」「これはこういうことでは?」などと考え始めるわけです。
でも、赤ちゃんは「なんで?」と思ってもすぐに忘れてしまいます。赤ちゃんを見ると、私たちは本来生きるようにできていること、生きて成長して考えることができる存在だということがわかります。
逆にいうと、うつ状態に近づく精神的な悪循環の環境は、自分で作っている。そう考えると、自分でその環境を少し直すことはできるはずです。そう考えれば、少しは気分もラクになりますね。
しかし、本当に心がうつうつとし、立ち上がるのも億劫なとき。悩まず、専門の病院にいきましょう。うつは「心の風邪」といわれる通り、誰だって罹る可能性があります。しかし、風邪のように放っておいても治るものではありません。
まずは自分を守るためにも、少し怠けてみる。そうやって、つい頑張り続けてしまう自分を癒してあげましょう。
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- 参考:「ゆっくり力」でいい人生をおくる 著:斎藤茂太(新講社)/イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ 著:玉川真理(誠文堂新光社)