怒りの感情で理不尽に接してくる人に、私たちはどう対抗したらよいのでしょうか。1番は「キレる人に近づかない、距離を置く」なのですが、相手が子どもだった場合、そう簡単にはいきませんよね。
思春期は多感な時期ではありますが、大人に向けて視野を広げ、自我を確立する大切な時期でもあります。
「腫物を触るようだから放っておく」のも、ひとつの方法ではありますが、できる限り良質なコミュニケーションを取り、導いてあげたいものです。そこで今回は、思春期の男女別の対処法をご紹介します。
思春期男子は、心が静まるまでそっとする
多くの子どもも親も、この怒りや衝動性に関して無意識です。「この時期だから仕方がない」というのもありますが「イライラモヤモヤが止まらなくてどうしようもない」という子もいます。
また、怒りが原因で友達とトラブルを起こしてしまう子もいます。叱ったり諭したりすることが求められてくるのですが、その前に、私たち親がこの怒りのメカニズムについて理解をしておくことが大切です。
思春期に入ると、男子はテストステロンという男性ホルモンが分泌されていきます。ひげが生えたり、声変わりをしたりと目で見える変化と共に「キレやすくなった」「イライラするようになった」など気持ちにも変化が見られます。
「昔はあんなに素直でいうことを聞いてくれたのに、攻撃的になってしまった」と嘆く親御さんもいると思いますが、テストステロンには攻撃的になるという特徴があるのですね。
この時期はスポーツなど、ルールのもとで勝敗を決めることができるものに没頭できたらよいのですが、少し以前にあった某大学のアメリカンフットボール部の悪質なタックル問題のように「相手を傷つけてでも勝ちたい」と思ってしまうのは間違いです。
なので私たち大人が、多感な時期の子どもの心と身体の状態を正しく判断し、導いてあげることがベストなのだと思います。
子どもが興奮状態にあり、キレてしまった際はまず、興奮が冷めるまでそっとしておきましょう。このときにほかの子どもに被害が行きそうなときは、別室に移動させたり、暴れている際は治まるまでハグをすることもよいと思います。
家庭内であれば、親自身にも攻撃が及びそうな時は逃げて構いません。時間を置いてから、話し合いをしていくことをおすすめします。親だからといって、暴力を受け止める必要はありません。それとこれは別だと考えてくださいね。