6歳の女の子を持つママライター、EMIです。
アルツハイマー型認知症の母との過ごし方についてコラムを執筆しています。
母がアルツハイマー型認知症だとわかってから5年が経ち、現在は要介護2。高齢者住宅に入居し、サポートを受けながら生活をしています。
認知症が進行するとさまざまな症状がでてきて、家族もそれに向き合っていかなくてはなりません。
認知症の症状のひとつに不要なものなどを集めたがる「収集癖」といものがあります。
私の母も、使用済みのティッシュやファミレスなどに置いてあるペーパーナプキン、食べ残した食べ物などをカバンにしまい込み、気がつくとカバンのなかが不要なものであふれているなんてことがあります。
認知症になるとなぜ、ものを集めたがるのでしょうか。今回は、「認知症の人の収集癖」について、原因と対応策についてお伝えします。認知症のご家族がいらっしゃる方のお役に立てば幸いです。
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認知症の人は、なぜ「もの」を収集したがるのか?
認知症による収集癖は人によってさまざまな原因が考えられます。代表的な原因は以下のようなことだと考えられます。
集めたことを忘れて、繰り返し集める
集めたものをしまったことを忘れて、使わずにたまり続けてしまう。
また、すでに十分あることを忘れて同じものを集めてしまい、使い切れないままの状態になるパターンです。
認知症の人に最も多いパターンではないでしょうか。
もったいないと思って集める
割りばしやプラスチック製のスプーンやフォークなどの使い捨てのものを再利用しようとして集めますが、集めたことを忘れていたり、活用方法が分からなくなってただものだけが増えていくというパターンです。
私の母もこのパターンに当てはまります。
不安を解消するために集める
ものがないと不安に感じ、たくさんあれば安心するという心理が収集行動につながっている場合もあります。
よくゴミ屋敷になる原因として「たくさんのものに囲まれていると安心する」という心理状態が原因ではないかと考えられていますよね。
認知症の人も同じように不安な気持ちが収集行動につながっている場合があるのです。
ゴミ屋敷になる前に対策を!
私が母の収集癖が気になり始めたのは、私が結婚をして母と離れて暮らした時期でした。いま思えば、一人暮らしの不安な気持ちが原因だったのかもしれません。
実家に帰省したとき、一緒に探し物をしていて、母のカバンのなかを見る機会がありました。
驚いたことに母のカバンのなかには、使用済みのティッシュや使い捨てのスプーンやフォーク、食べかけのものなど不要だと思うようなものばかりが入っていたのです。
私は、母に「カバンのなかにゴミみたいなものがたくさん入っているよ!これは必要なものなの?」と聞くと母は、「あとで使うから入れといて」と言って捨てようとしないのです。
また、一緒に外食した時には、外食先で使った割りばし、ペーパーナプキン、しまいには食べ残しまでペーパーナプキンに包んでカバンにしまおうとするのです。
それを見た私は、母に「そんなゴミを持ち帰ってどうするの?置いていきなよ!」言うと、母は「もったいないでしょ!また後で使うからいいのよ!」と言ってカバンのなかにしまいこみます。
しまいこんだカバンのなかは、すでに不要なものでパンパン状態…。
収集癖でもっとも困るのが、家のなかがゴミ屋敷のようになることです。母が実家で暮らしをしていたときは、家のなかに不要なものばかりたまって、整理するのがとても大変でした。
家のなかだけならまだよいのですが、収集物が家の外まであふれるようになると、ご近所トラブルを引き起こすことになりかねません。早い段階で、ある程度対応をすることが必要です。