こんにちは。男女が癒し合い、高め合い、元気になれる「真実の性」を伝え続けて18年。真実の性の語り部こと夏目祭子です。
私のメルマガ「真実の性の語り部・夏目祭子の『世界一わかりやすい“幸せな性”の授業』」では、夫婦のどちらかが“カラダのつながり”を望んでも、どちらか断わる理由について深掘りし、その解決策をお伝えしてきました。
きょうは、「プライベートゾーン」がなぜ大切なのかということについてお話しします。
性暴力防止のために作られた概念「プライベートゾーン」
耳慣れない言葉かもしれませんが、「プライベートゾーン」というと、どの部分を指しているのかご存じでしょうか?
プライベートゾーンとは、「口」「胸」「性器」の3カ所を指しています。
プライベートというのは、英語で「私的な、ほかの人が立ち入れない」という意味です。
つまり、これらの部分は「自分だけの大切な場所」だから、「ほかの人に勝手に触らせたり、軽々しく見せたりしないこと」という約束を覚えさせるために作られた言葉なのです。
これは、もともとまだ性的なことをわかっていない子どもたちが、無自覚なまま性暴力の被害者となることを予防するために作られた考え方でした。
日本では、子どもたちに対する性暴力予防の取り組みはだいぶ遅れています。
日本より子ども対象の性犯罪の発生率が高かったアメリカでは、1978年から「CAPプログラム(子どもへの暴力防止プログラム)」が実施されていました。
日本でもこのプログラムを取り入れたいという有志の活動から、1995年には民間で「CAPセンター・JAPAN」が設立され、「子どもへの暴力防止プログラム」が各地で実施されてきました。
知る人ぞ知る、民間の自助努力のような取り組みだったものが、昨年ようやく内容の一部が「いのちの安全教育」として、全国の小中高校の授業でも教えるように決定されたのです。
ただしそれは、CAPのプログラムでは必須だった「性暴力を教える前提として、性行為について教える」という自然な流れが無視されて、「性行為については取り扱わない」という以前からの文科省の規定は変わらないままとされ、「性行為については教えずに、性暴力についてだけ教える」というあまりに偏った内容になっています。