こんにちは、精神科医・心理研究家のゆうきゆうです。発行しているメルマガでは、人間心理を裸にして、あやつる技術をお教えしています。
みなさんは、なにかの作業をやらなければいけないときに、つい先延ばしにしてしまうことはありませんか?
私も、以前はよくありました。やらなければいけないのに、いつまで経っても開始できない。そしてどんどん時間が過ぎ去ってしまう…。
今回はそんな場合に、即効的に実行しやすくなる方法をお教えします。
時間だけを考えよう
大切なことは、「ゴールを目標達成ではなく、時間経過にする」ことです。
たとえば多くの人がよくやりがちなのは、「きょうこの宿題を終わらせる」「この仕事を片付ける」など、特定のことをゴールにしてしまうこと。
これは、一見いいように見えますが、うまくいくことは、そんなにありません。
「この宿題を終わらせよう」と思いつつも、いつまで経っても開始できない。そして開始したとしても、「あぁ、もうこんなに時間が経ってしまった。まだこれだけしか終わってない…」なんて気持ちになってしまう。
結果、途中でやめてしまって、何も進まないまま、きょうという日が終わってしまう。そんなことを繰り返してしまうのが大半です。
これ、ゴールを目標達成に設定しているから、いけないのです。
目標達成ばかりを考えていればいるほど、「早く終わりたい」という気持ちが強くなります。
そして「この目標から早く離れたい」→「この目標がイヤだ」という思いにつながり、当然ですが、どんどんやりたくなくなるのです。
目標を切り替えよう
ここで、ゴールを「目標達成」ではなく「時間経過」だけに切り替えてみましょう。
すなわち「目標達成できなくてもいいから、この宿題を20分だけやる」というように、時間そのものにシフトしていくのです。
さらに言うなら「達成できなくてもいいし、ぜんぜん進まなくてもいいから、20分だけやる」ことこそがゴール。
成果を意識せず、ただただ、20分だけやるのです。これであれば、すごく気楽にできるのではないでしょうか?ただ、やるだけです。
もちろん時間は、あなたのやりやすい時間、いくらでも構いません。「まずは5分」でも十分にOKです。
結果、宿題がまだ終わっていなくても、焦る必要はありません。ただその時間を達成できたら、まずはそのことを喜びましょう。
そして「もっとやりたい」と思うのなら、また追加で「じゃあ今度は10分だけやってみよう」など時間を設定してみてください。
同じく成果はまったく関係なく、10分だけやることができたら、もう大成功です。
これを繰り返していくことが最重要。すると、どこかで宿題が終わっているはず。
ただそれは、ただの「結果」であり、「目標ではない」ということが重要です。
走る場合も、ゴールを考えない
これは、ランニングなどでも同じです。
「きょうは5km走るぞ!」など、距離だけを目標にしてしまうと、途中経過で「あぁ、あと4kmもある…。あと3kmもある…」なんていう風に、気持ちがどんどん疲れてしまいます。
距離をゴールにすることによって、「とにかく速く走り終えないと」という意識が強まっていき、結果的に走ることが楽しくなくなってしまうのです。
この場合も、距離ではなく、時間経過だけを目標にすること。たとえば「30分だけ走ろう」とか「15分だけ走ればいい」など考えてみましょう。
すると「それくらいなら…」という気持ちになって、心から焦りが消えていきます。
くわえて「どんなに急いでも、30分は走らなきゃいけないんだから」と思うことで、「早く終えたい」という気持ちも落ち着きます。
結果的に、その瞬間瞬間のランニングをじっくり楽しむことができるはずです。
もちろん急いだときよりタイムは遅くなるかもしれません。でも気分よく走れますので、運動習慣はより強くなるはずです。
時間こそが最重要
実際、何を行うにしても、最重要なのは「時間」です。
どれだけその行動に時間をかけたか。それだけが、その結果に左右していきます。
たとえばミュージシャンなどの音楽のプロ。彼らは生まれつき才能があったため、短時間の練習だけでプロになれた…ということはほとんどありません。
多くが毎日毎日、たくさんの時間を音楽に注ぎ込み、その結果として上達したり、プロになれたというだけに過ぎないのです。
というか、大半の人が「好きだからこそ長時間練習ができた」のではないでしょうか?その積み重ねこそが、実力につながっていきます。
まずは短時間
当然ですが、あなたにとって最大にいいのは、「やるべき宿題や仕事などを好きになること」です。
そうすれば、やることが苦痛ではなくなり、結果的に長時間のめりこみ、最終的に、たくさんの勉強や仕事を完成させていけるはず。
ただ、言うまでもなく、そんなに簡単に好きになれたら、苦労しません。
なので大切なのは、「その時間はそれを実行する」ということを目標にして、まずは短時間でいいから、それを行うこと。
そしてそれを積み重ねていき、いつのまにか上達し、好きになっていく…という方法こそが、もっとも現実的なのです。
タイマーを用意しよう
さて、ではどうすれば時間を目標にできるのでしょうか。
個人的にオススメしているのが、タイマーです。たとえば10分や20分などの時間目標を設定したら、タイマーをかけてみましょう。そしてタイマーが鳴るまではやる、と心がけるのです。
もちろん、測定する方法は何でも構いません。重要なのは、「時間だけを目標にする」こと。どうか覚えておいてくださいね。
きょうのまとめ
- 目標達成をゴールにしてはいけない。それではやることがどんどん苦痛になっていく。
- それより大切なのは「時間」を目標にすること。
- それを積み重ねていき、「いつの間にか終わっていた」というのが一番理想的。
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