熱いライブが楽しめるクラブスペース
再び階段を降り、「ナーベ1」を通り抜けて奥の建物へと移動します。突き当りにあるのがクラブルーム「ナーベ4」です。
同施設のなかで一番広いイベントスペースには、壁一面に世界のミュージシャンの写真が並んでいます。
ライブが始まるのは午後9時半以降。客席はオールスタンディングとなり、世界中の人々の熱気に包まれます。
ジャンルはジャズ、ロック、クラシックにヒップホップとさまざま。若手から中堅まで、実力あるミュージシャンが連日演奏しています。
ちなみに、キューバ音楽の代名詞ともいえるサルサのライブはありません。理由は、サルサ以外の音楽にもスポットを当てるため。同施設は、キューバのアーティスト育成にも力を入れているのです。
では最後に、2階のギャラリー「ナーベ5」を見てみましょう。
こちらも広めのスペースに、作品がずらりと並んでいます。同施設は展示作品が多いので、ゆっくり見ていくと1時間以上かかります。入口で並ぶ場合も考えて、時間に余裕を持って行くことをおすすめします。
古い配管と写真を組み合わせた印象的な作品。写っているのは、ハバナからアメリカのマイアミへ向けて、イカダで海を渡ろうとしている人たちです。
1959年の革命により、アメリカの実質支配から真の独立を果たしたキューバですが、その後アメリカによるテロや経済制裁を受けました。1991年に支援国だったソ連が崩壊すると、さらに貧しい時代が続きます。
そのため、地理的に近いマイアミにイカダで亡命する人が後を絶ちませんでした。アメリカがキューバの亡命者に対し、生活を保証する政策を取っていることも関係しています。
しかし、手作りの粗末なイカダでは約370kmの航海に耐えられず、多くの人が命を落としました。同施設は、このように政治的な作品も展示しています。
複数モニターでは、人種差別や同性愛、宗教問題などをイメージさせる動画が次々と流れていました。「なぜいま、キューバでこの作品が展示されているのか?」を考えながら見るのも面白いですよ。
最新のイベント情報は公式サイトをチェック
ライブにバー、ギャラリーと楽しみが盛りだくさんの同施設は、深夜まで多くの人でにぎわっています。出口の混雑を避けたいなら、クローズ時間より少し早めに出るといいでしょう。
なかで飲食した人は、入口のカウンターでチケットを見せて料金を払います。支払いのない人は外の警備員に直接チケットを見せると早く出ることができますよ。
施設周辺は電灯が少ないため、夜はかなり暗くなります。キューバに慣れていない人は、多少高くても入口にいるタクシーで帰ることをおすすめします。旧市街まで約15分かかるので、乗る前に必ず値段を確認しましょう。
また、最新のイベントスケジュールは公式サイトで確認できます。英語のほか、翻訳が少し怪しいですが日本語にも対応しています。
ハバナ旅行の際は、いまいちばん熱い注目スポット「ファブリカ・デ・アルテ」に、ぜひ行ってみてくださいね!
- image by:ヒトミ☆クバーナ
- ※初出:2019/09/26・TRiP EDiTOR
- ※掲載時点の情報です。内容は変更になる可能性があります。