「邪気」
みなさんはこの言葉にどんなイメージを持っていますか?
邪気といっても、「殺意」や、相手を陥れよう、大切なものを傷つけてやろうとする「悪意」などの念…つまり本当に邪悪なエネルギーというのは、日本にはあまり存在しないのではないかと思います。
セビリアで感じた小さな悪意

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2019年の春にスペインのセビリアに行ったときのこと─。
スペインのセビリアはフラメンコや闘牛が有名で、オペラ「セビリアの理髪師」や「カルメン」の舞台となった街です。
世界で3番目に大きい大聖堂の「カテドラル」、アルハンブラ宮殿を思わせるイスラム建築の「アルカサル」といった魅力的な世界遺産もあります。
そんなセビリアで、近年人気が上昇している「映画スターウォーズ」のロケ地となったスペイン広場の近くを観光していたとき─。
一緒に出かけたMさんのバックからお財布がすられたのですが、そのとき「ボンっ」って小さな悪意が私たち日本人に飛び込んできた瞬間を、私は感じていたのですね。
ひとりで「誰だっ!?」って私は後ろを振り返ったのですが、その感覚を言葉に出して共有はしなかったのです。
このような目に見えない感覚って、社会生活を送っているときは、自分の内側で感じているだけで、言葉にしないことが多いのですが、その数十分後に、Mさんのお財布がすられていたことが発覚。
それから数日間、セビリアの街中で同じような小さな悪意が飛び交っていましたが、その感覚をその後みんなで共有していたので、視線は感じながらもすられることはありませんでした。
日本中にあふれる「きな臭い想念」の理由は…
そういった悪意って、日本にはあまりないんです。
「小さな」と表現していますが、悪意には大きさもあり、いま日本で生活をしている私たちが感じる「邪気」は、ほとんど「きな臭い想念」ではないかなと思います。
まだ本当の悪意ではないけれども、何かの拍子に本当の悪意に進化しそうな匂い(笑)
関わり続けてゆくと、このままだと危ないな…みたいな想念。
きな臭さのもとは「自分さえよければ」という利己的な念や執着です。
執着心となって相手を陥れようとか、ちょっと意地悪してやろうとする嫉妬も、悪意の一種かな?と思いますが、尊重のない自分勝手な押しつけや、相手をコントロールしたいというエゴの欲求などは、ちょっとしたきな臭さ、このままだと何か起こりそうな匂いのもとになります。
そういった意味で、現実社会はそこら中きな臭さであふれています。