バランスが大切
自らの気持ちを正直に伝えた方が良いというのは、好きな人に対してだけではありません。周囲の人に対してもいえます。
人間関係が不器用な人は、人に対して人一倍気をつかっているつもりなのに、なぜかトラブルになったり、気まずいことになったりしがち。
なぜそうなるかというと、気持ちを抑えすぎるからです。
抑えすぎることで、ため込んでしまったものが、イライラを生み、そのせいで素直になれなかったり、つい感じの悪い態度をとってしまったりするのです。
みんながいいたいことを遠慮なく主張したら収拾がつかなくなるし、利己的な思いのぶつけあいになり、雰囲気が悪くなるでしょう。
だからこそ、他の人の気持ちも配慮して、ある程度の自分の気持ちを抑えるのは大切なこと。
周囲の気持ちなどまったく配慮せずに、身勝手なことをいう人には「本当に自分勝手だなあ」「人の気持ちや立場なんて全然眼中にないんだから」と周囲からあきれられてしまうかもしれません。
人づきあいに気を使うタイプは、そのような身勝手さはないのですが、逆に自分を抑えすぎて、本人自身が疲れて我慢できなくなってしまうのです。
結局は、バランスの問題。
人の気持ちや立場を配慮することも大事ですが、自分の気持ちや立場も大事です。
どちらかを無視したり軽視したりすると、問題が生じやすくなります。
相手の気持ちや立場を配慮しないと、反発を買い、人間関係がスムーズにいかなくなるのです。
反対に、自分の気持ちや立場を無視して、無理に自分を抑えてしまうと、いつか「もう我慢できない」と感情の爆発を起こして、せっかくの人間関係を台無しにしてしまうことにもなりかねません。
相手に配慮し、イヤな感じを与えない形で、適切な自己主張ができるようにすると良いでしょう。
- 参考:「ゆっくり力」でいい人生をおくる 著:斎藤茂太(新講社)
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