いわれてうれしい言葉のひとつ「可愛い」。年代を問わず、外見を褒められていることは自分の価値をより感じられますよね。
しかし、その「可愛い」という言葉に縛られ、苦しんでいるという方も、なかにはいるのではないでしょうか。
株式会社幻冬舎から発売された、整形アイドル轟ちゃんの初書籍「可愛い戦争から離脱します」。
整形のネガティブな面も含めてリアルに発信する活動をしているYouTuber・轟ちゃんは、自らを「整形アイドル」と銘打って活動しています。気になる本の内容を、早速チェックしてみましょう。
整形アイドル轟ちゃん
整形を「隠す」から「共有する」時代になりつつある時代。整形アイドル轟ちゃんは、整形のネガティブな面も含めて発信しています。
そのリアルな内容は共感を呼び、フォロワー数は36万人以上。瞼、おでこ、鼻、輪郭など10回以上の手術を行ない、整形にかかった合計金額は1000万円を超えているという轟ちゃん。
書籍では「整形をする前の自分が読みたかったこと」をテーマに、すべてを顔のせいにしない考え方や、コンプレックスをゼロにしなくても自信が持てる心のつくりかたについて綴られています。
1度は立たされる「可愛い戦争」の戦場
多数の整形手術で外見を変化させ、術後の苦しみを乗り越えたいまも、葛藤を続ける轟ちゃん。
「私は、可愛い戦争で負けっぱなしの女の子だった」と自身を表現。誰もに少なからず葛藤はあり「外見によって勝ち負けが決まる理不尽な可愛い戦争の戦場に、誰もが1度は立たされる」と、読み手の記憶を揺さぶります。
幼少期から「いつも顔を見られることに怯えて隠れ、敵に見つかればブスという言葉の弾で一方的に撃たれて傷ついた」という轟ちゃんは、他人からの評価や心ない言葉に人生を左右されてしまっていました。
そして「応戦する自信もなく、逃げることもできず、ただブスだから仕方ないと自分を責めた」と、苦しいのは自分の責任と思い込むようになっていったのです。
インターネット時代の攻撃性
どんな人でも「いつどこで攻撃されるかわからない」と警鐘を鳴らす轟ちゃんは、「醜いものを叩いて優越感を得る。インターネットの匿名性を利用し、自分の姿を見せずに陰から非難の言葉をぶつける人もいる」と、インターネット時代の攻撃性についても言及しています。
この「可愛い」至上主義の世のなかは「一概に悪いこととは言えない」とも評し、「客観的に自分を見る機会にもなるし、負けたくないという気持ちが自分の容姿を磨くきっかけになるかもしれない。ライバルがいてこそ燃え上がって、もっとがんばろうと輝く人もいる。もちろん理不尽な外見至上主義や誹謗中傷を擁護などできないが、逆境を上手く利用し成長する器用な人も一定数いるだろう」と、同じ言動も人によって受け取り方が違うとしています。