新婚1カ月で暗雲をもたらした「夫の宣言」
ライターi:そこからいつ離婚は考え始めたの?
ナオ:離婚を決意したのは少し後だけど、雲行きが怪しくなったのは結婚式の1カ月後だったかな。
ライターi:1カ月!?一番幸せな時期じゃない?
ナオ:私もそのつもりだった。まさか1カ月でこんなに変わるなんて考えもしなかった。
ライターi:その間に何があったの?
ナオ:結婚式から1カ月後のこと。当時フォトグラファーをしていたんだけど、現場で撮影準備をしているときに彼からメールが来たの「俺、仕事やめる。アプリの開発をやる」って。
ライターi:え!メールで!?それはちゃんと顔を合わせていってほしいところだよね。彼プログラマーとかだったっけ?
ナオ:ううん、全然。IT系会社の営業だけど、その辺の専門知識はほぼゼロ。
ライターi:なんでまた突然…で、ナオはどうしたの。
ナオ:そのときまでそんな夢があることも知らなかったし、もちろんめちゃめちゃ戸惑ったよ。でもそれが彼の夢なら否定はできないって思った。私自身、大学まで全然違うことしてて、夢を追って知識も経験もないところからフォトグラファーになったから。とりあえず仕事もあるから「応援はするけど、帰ってじっくり話そう」とだけ返信したの。
ライターi:自分自身も通った道だし、応援するしかないよね。
ナオ:うん。彼もアプリ開発の知識もないわけだし、仕事続けながら夜にそういう学校に行って、それから退職・独立を考えることを提案しようと思ってたの。ふたりでゆっくり考えながら進めようと思ってた。でも、帰宅後に受けた彼からの宣言はまったく私の予定した内容と違ってた。
ライターi:彼はなんて?
ナオ:もうすでに上司とも話をして、退職日もだいたい決めたって。そして自分の力でやり遂げたいから学校には行かず、自宅でやるって宣言された。フリーランスでやっている私を見て、自分も何かやりたいって思ってたんだって。
ライターi:感化されちゃったかー。フリーランスってそう簡単なものじゃないけど…。せめてナオと話してから進めてほしかったよね。
ナオ:それよ。でも私もいままで彼に支えてもらっていたから、ふたりで頑張ろうって思ってた。「次は私が支える番だ」って最初は妙に気合い入ってたな。彼も必ず成功させるって誓ってくれて。その話し合いの1カ月後に仕事を辞めて、夫婦フリーランス生活…いや、私の大黒柱生活がスタートして、そこから波乱の始まりだった。