「男性は体力がある」という歪んだジェンダー意識
次に、男性がジェンダーによるハラスメントを受けているところを見たことが「ある」と回答した人にその内容を聞くと、「肉体労働、暑い現場、夜勤は男性がやるようになっていた」(30代・女性・企画マーケティング)、「男性だからと強制的に飲み会に連れて行かれ遅くまで拘束されていた」(20代・女性・クリエイター)といった、体力的に厳しい環境下で過ごすことを強制されたという意見がもっとも多く挙げられました。
また、「男性が育休を取ると出世できないような風潮があった」(30代・女性・企画マーケティング)、「男性は家族を犠牲にして仕事をするべきと言われていた」(40代・男性・営業)といった、男性の育児や家庭との両立を妨げるような発言や仕組みがみられたとする意見も挙がりました。
さらに、「男性だから厳しくしても大丈夫だ、と男性管理職が男性社員に向かって言っていた」(30代・女性・管理)といった、同性特有のジェンダーハラスメントを受けている場面を見たという声もみられました。
ハラスメント発言は、悪気なく発せられる?
職場での女性差別が問題視されているなか、本調査では男女ともに性別によって仕事を強制されたり制限されたりするようなジェンダーハラスメントにあっていることがわかりました。「男性らしく」「女性らしく」という考え方は根強いようです。
一方、今回の調査で現在の会社(直近の会社)で相手に男女差別と捉えられるようなことを言ってしまったことはあるか聞いたところ、「ある」と回答した人はわずか7.0%でした。
ジェンダーハラスメントと捉えられる発言の多くは、悪気なく無意識に発せられているのかもしれません。そして近年は、LGBTQなど性別への柔軟な理解も求められています。
ジェンダーハラスメントをなくすためには、働き手一人ひとりが自身の発言がハラスメントに当たらないかを一度考えてから発言するといった意識を持つことが、大切になってくるのではないでしょうか。