見た目も性格も正反対の「親友」
親友のサキとは、撮影現場で出会いました。まだヘアメイクを目指しアシスタントをしていたころ、彼女もスタイリストのアシスタントをしていたのです。
お互いアシスタント同士だということもあり、すぐに意気投合した私たち。東京に友達が少なかった私の生活は、彼女と遊ぶようになってから、一気に華やぎました。
仕事の合間をぬって彼女が誘ってくれる飲み会に参加したり、仕事が終わった深夜からふたりで飲む日々。「いつか一緒に大きな仕事をしよう」と夢を語り、毎日寝不足だったけど、サキとの時間が何よりも自分らしくいられる時間でした。
サキは黙っているとちょっと冷たく見えそうなクール系美人。見た目も、性格も私と正反対で、異業種交流会を開くほど交友関係が広く、仕事もできる彼女のInstagramやFacebookには、誰かが撮ってくれたという彼女の写真や、彼女の仕事ぶりを称えている人から届いたというメッセージが掲載されていました。
異性からの人気も高く、友人からよく告白されたり、道を歩けば何人もの男からナンパされるほど熱烈にモテた経験もあるとこっそり教えてくれました。同性から妬まれることもあり、嫌がらせや私よりもひどいメールを受けたこともあったみたいですが、そんなことを物ともせず動じない強い彼女は、私の自慢の親友でした。
彼女のおかげで広がった交友関係。夜職を辞めるきっかけになった彼と出会ったのも、サキが誘ってくれた飲み会でした。
つらいときに支えてくれた親友の口癖
正義感がとても強く、ときには叱りながらはっきりと意見をいってくれるサキ。感情の起伏が少し激しく、怒りが頂点に達すると長時間に渡って長文メッセージを送ってくることなどはありましたが、すべては私を思ってのこと。誰よりも信頼し自分のことを洗いざらい話していました。
彼女が口癖のように、私が落ち込んだときにいつもいってくれた言葉があります。
「アリサは大丈夫だよ。誰からも愛される太陽のようないい子だもん。私はそんなアリサの味方だし、いつでもそばにいるし、話聞くから!」
嫌がらせのメールが初めて来て気が動転していたときも、電話にすぐに出てくれて、深夜にもかかわらず駆けつけてくれ、この言葉をかけてくれました。誰よりも怒り、どうにか犯人を見つける手立てがないかと考えてくれたのもサキでした。
こんなに大事に思える親友がいて、そして誰よりも私の味方でいてくれる。これほどの心の支えはありませんでした。
嫌がらせやつらいことがあっても、私は東京で頑張っていける、頑張ろうと思えたのは、サキの存在があったからでした。