サキに送られた嫌がらせメール
嫌がらせメールを受け取って、2年目が経ったころ、ついにサキにまで、私のことが書かれたメールが届くようになりました。内容は、私の行動をストーキングか、ハッキングしていないとわからないようなもの。
それはちょうど私が彼とテーマパークに行ったときのこと。
転職後、仕事があまりにも忙しく、当時付き合っていた彼とも休みがなかなか合わせられなかった私は、たまっていた代休を消化するため、会社に「どうしても外せない予定がある」とだけいって無理やり休みをつくり、デートに行きました。
誰にも休みの予定については話していませんでしたが、サキにだけは「きょう会社ズル休みして、デートに行ってくるわ(笑)!」と出かけ際に報告。代休消化だし、ズルではないけど、少し冗談を含めてそんなメッセージを送ったのでした。
テーマパークで彼との時間を思いっきり楽しんでいるときに、サキからの鬼電の後に送られてきた内容は背筋が凍るようなメールでした。
「楽しんでいるときに本当にごめん!
でも至急伝えた方がいいと思って。
アリサの携帯誰かに見られてるかも。
変なメールが私の仕事用アドレスに届いたんだけど、以下転送するね。
あなたの親友がいまどこで何しているか知っています。
いけませんね。会社には連絡しておきました。
あなたみたいな美人で素敵な人がなぜ、彼女と友達なんですか?
あなたの格をさげるだけです。早く縁を切ったほうがいい。
もっとふさわしい友達がいるはずです」
このメールを見た瞬間、とてもテーマパークにいる気にはなれず、帰宅することに。彼にこれまでに届いた嫌がらせメールのことも含めてすべて話しました。
彼が向けた疑い。でも私だけは信じて疑わなかった…
この日私のオフを知っているのは会社の人と、サキのみ。しかもズル休みのようにとらえられるのはサキだけ。彼はサキが送ってきたんじゃないかと疑いをかけましたが、その可能性はゼロだと否定しました。
サキとはもう長い付き合いで、お互い人にはいえないような悩みを泣きながら話したこともあるほどの仲。私のことが嫌いなら、無視すればいいし、縁を切ればいい。ダメージを負わせる方法はたくさんある。正義感が強くて、曲がったことが大嫌いな彼女がこんなことをするはずはない、と。
彼はしぶしぶ納得したものの、私との連絡専用に別の携帯を用意すること、そしてこれまでの嫌がらせメールが来るタイミングを考えると、少しでもノロケや自慢話ととらえられるような話を一切周囲の人にしないこと、何なら彼氏とは上手くいっていないように振舞うこと、そしてそれは親友サキにさえも行うことを提案してきました。
一度はその提案を受け入れましたが、親友を欺かなければならないこと、彼がそこまで私が大事に思っている人を疑っていることが受け入れられず、その後彼とは別れてしまいました。
さすがのサキにも別れた理由はいえませんでしたが、落ち込んでいる私を慰め、「男を忘れるには、次の男だよ!」と合コンを開いてくれたサキは、より大事な親友になりました。