何がそうさせる?
その要因のひとつが「緊張」です。誰にも経験があると思いますが、人は極度の緊張状態になると自己の能力を発揮できなくなります。
すると「私は部下の前で緊張などしていませんよ」「緊張するのは部下の方でしょう」そんな風に考えます。上司の方が緊張しているのは、部下ではなく自分の立場です。「緊張」を「ストレス」や「プレッシャー」といい換えた方がわかりやすいでしょうか。
それでも多くの方は「自分はそれほど不一致なことはない」と考えています。そこでひとつ試してほしいことがあります。それは、部下と接する前に自分の想いを書き出してみることです。
「どのように接するか」話の聴き方、話し方、態度、表情、声のトーンと言った表面的なことから、どのようなストーリーで接するのか。たとえば、今回は初めは傾聴に徹してその後に事柄を整理していこうとか。情報を共有することから始めようとか。
心のなかで考えるのではなく、箇条書きでもいいので書き出すことで、自分の想いがクリアになってきます。想いがクリアになるだけでも、言動に変化が表れます。それは部下の表情や態度を見れば一目瞭然です。これは初めに話をした意図した状態です。想いと言動が奥で一致しています。
知らず知らずのうちに…
なぜ書き出すだけで変われるのか。それは想いがクリアになることで、目的が明確になり、ストレスやプレッシャーに打ち勝つことができるからです。要は、普段自分が不一致になっていることを意識していないことで、ストレスやプレッシャーに知らず知らずのうちに負けているのです。特に、時間でありスピードに意識を縛られています。
意図を明確にして部下と接することは、部下のストレスやプレッシャーを軽減することにもつながります。実は上司の不一致は、部下へのストレスやプレッシャーの大きな要因なのです。それで部下は能力を発揮できない状態となり、またそれがイライラの原因となり、ストレスが溜まっていく。
まさに悪魔のサイクルです。騙されたと思って、想いを書き出してみてください。書き出してみれば、自分の想いがあいまいなことに気がづきます。そして、自分の想いがクリアになれば、自分自身が1番楽になります。意外と自分自身のことでもわかっていないものですよ。