セクシュアリティは揺らいで当たり前だ
過去に私が企画した「シスヘテ当事者にインタビュー!」(外部サイト)で、シスジェンダー・ヘテロセクシュアルのかたにした質問「あなたはヘテロセクシュアル以外になり得ると思うか?」に対し、5人中4人が「はい」と答えました。
「いままでは異性(男性)としか付き合ったことはないが、今後好きになった相手がトランスジェンダーだから、女性の身体を持っているからという理由で断ることは無いと思う」「今後の経験によっては変わると思う」と、ヘテロセクシュアルのかたのセクシュアリティの揺らぎについて語ってくれたのです。
この企画を通し、セクシュアリティは揺らいで当たり前で、誰もが変化し得る。そして、自分のセクシュアリティを決める必要がないという考えを持ちました。
セクシュアリティはわからなくてもいい
私はいわゆる「性的マイノリティ」として周囲に認識されると思いますが、自分自身がその当事者であることに気付いていなかったと知ったときのショックは、いまの社会を考えるきっかけにもなりました。
社会や政治を語る人を見てなんだか偉そうだと思っていましたが、社会のことは自分ごとであると、肌で感じるのです。このようにセクシュアリティについて発信することが自分自身が生きやすい社会を作るためのきっかけのひとつであり、また自分と同じような方々が少しでも楽に生きられる近道にできればいいとも思っています。
正直、自分自身をアイデンティファイできる人は羨ましいと思うこともあります。ですが、未知を既知に変えることで、確固たる「何か」を持つことは当たり前ではないことを知りました。
また自己を定義できなかったり表現できないことはアイデンティティの欠如ではなく、認識の遅れや言葉が存在しないだけであり、「あなたはあなた」と立派なアイデンティティがあることを知ってほしいです。
揺らぎがあることを、ヘテロセクシュアル含めた人々が認識することで、「このままでいいよね」と思える人が増えていくと思います。最近は自分を定義づける「何か」よりも、胸を張って「セクシュアリティはわかりません!」「性別はわかりません!」といえるような、息のしやすい環境を望んでいます。
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