バイセクシュアルなのかも?けど違う?
大学に入学してから、ある「クエスチョニング(LGBTQのQ、セクシュアリティが定まっていない人)」な留学生と仲良くなり、ジェンダーやセクシュアリティについて触れる機会が増えました。そこから、新宿二丁目に行ってみたり、ネット上で出会ったコミュニティの人と実際に会ってみたり…自分自身のセクシュアリティや傾向について知ろうと努力をすることに。
そこで「レズビアン(女性同性愛者)」や「バイセクシュアル(男女どちらにも性愛感情が向く性)」も、「ゲイ(男性同性愛者)」や「ヘテロセクシュアル(異性に対して性的な感情を抱くセクシュアリティ)」と同じように、ひとつのセクシュアリティであることを知ったのです。
またさまざまな人と関わるなかで、予想以上に自分と似た経験をしている人が多く、「もしかしてバイセクシュアルなのかも?」と思うようになりました。
ですが、男性とお付き合いをしたことはあっても、同性とは恋愛に発展したことがなかったので、バイセクシュアルだといい切ることもできません。またどのセクシュアリティを当てはめてもしっくりせず、断言できるほどの経験もないので、曖昧な自分がそうであるということが、当事者にとって失礼なのではと感じていました。
セクシュアリティが不明である理由
バイセクシュアルかもしれないと思っていたころに、Xジェンダーのかたに恋愛感情を抱いたことがあり、そこでもまた自分のセクシュアリティに「揺らぎ」を感じました。この「Xジェンダー」とは、性自認が男性にも女性にもあてはまらないセクシュアリティのことを指します。
そのかたが男性でも女性でもないことを伝えてくれたとき、初めて「性別は二択ではないこと」を知り、性のありかたについてより考えるようになったのです。
それまで男性か女性にしか恋愛感情を持たないと思っていましたが、それは無意識に相手の性別を男or女で仮定していたからであり、相手の認識とは異なる場合もあることを知りました。そういった経験もあり、「自分のセクシュアリティを断言することは難しいのでは」と、いま思っています。
他人から「あなたはバイセクシュアルだと思うよ」とか「いやレズビアンではない」とセクシュアリティを判断されることが多く、一度男性と経験をしていることを知る人からは、「最終的には男に行くんでしょ」とか「あー結局ペニスが好きなんだ」とがっかりされることもあります。
セクシュアリティにかかわらず、性別や国籍などで相手をこうだと勝手に決めつけることは誰にもできません。もしそう発言した人に嫌味がなくても相手を傷つけている可能性があるのだと、私は身をもって感じました。