毒親の支配から抜け出すための「はじめの一歩」
大人になって親の経済的な支配から抜け出したとしても、小さくて弱かった幼いころに「全知全能の存在」だった親のことを、実は理不尽で情緒的に未熟な「毒親」だったなどとは、なかなか思えないものです。
そのため、大人になって抱え込んでしまう問題の根本的な原因が「いまだに毒親の支配下から抜け出せていないから」ということにも気づくことが難しいのです。
そういった意味でも、「過去の事実から逃げることなく真正面から向き合うこと」は、毒親の支配下から自分を解放するための「はじめの一歩」になるといえます。
とはいえ、あなたが「もう済んだことだから」「親ももう歳だから」「あの時代を生きた人はしょうがないから」などと心から割り切れていて、ある意味、親のことや当時の家庭環境のことなどを達観してみることができているなら全然いいのです。
でも、そうではなくて、いくら言葉(頭)では「もう済んだことだから」「親ももう歳だから」などと思っていても、感情的に絶対に許せないとか、絶対に復讐してやるとか感じているなら、あらゆる言い訳を封印しても、勇気を出して過去の真実と真正面から向き合う必要があると思います。真実から目をそらすほどに心の防衛機制が強くなっていくからです。
私たちの心には、心が傷つくことから守るためのさまざまな「防衛機制」なる働きがあります。「抑圧」「投影」「外化」なども防衛機制のひとつです。
この防衛機制は、心の安全を保つためには確かに役に立つものですが、ともすると発動しなくてもいい場面でも発動しっぱなしになってしまい、人生の中で不快な問題を起こしてしまうことも少なくないのです。
では、真実に真正面から向き合わずに、真実から目をそらすほどに心の防衛機制が強くなっていくとはどういうことでしょうか?それについては、また次回に続きます。
次回の『「毒親の呪縛」を本気で断ち切る実践トレーニング』は2021年5月12日公開予定です)
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