「自慰行為の友」が性のイメージを歪めてる
実際に、私が直接お会いした、40代男性のお客様の例をお話ししましょう。
彼もまた、妻のことは愛しているけど、恋人時代のような恋愛感情ではなく、子どもの「お父さんお母さん」といった「家族的な愛情」に変わったから、もうカラダのつながりを持てなくなったといいます。
だからといって、性欲がなくなったわけじゃない。じゃあ、欲求が湧いてきたときにはどうしているかといえば…。
彼は浮気はしません。代わりに、妻に内緒でコッソリAVを観ながら自分で処理しているというのです!
健康な性欲があり、愛するパートナーがそばにいるにも関わらず、そのエネルギーを愛を深める行為には使わず、「処理する」ように捨てているというのは、何かおかしいように感じませんか?
なぜこんな歪んだ状況に陥っているのか?という原因として、彼はこんな自覚症状があることを打ち明けてくれました。
「若いころからAVを観て学習してきたから、あんな風な“イヤらしいエロエロなモード”に自分をかき立てないとできないように、脳の回路がなってしまっているんですよね…」
これは鋭い自己分析です。それと同時に、2つのことを感じました。
ひとつは、いまや幅広い世代の男性が、自慰行為の友として繰り返し常用しているAVに、性のイメージを歪める作用があるという影響力の恐ろしさ。
もうひとつは、そもそもAVには女性を暴力的に扱う描写がある作品もあるため、愛情が深まるほど妻をそんな風に扱えなくなるというのは、実は妻に対する優しさや尊重ゆえであって、こういう場合、妻は「夫の愛がなくなった!」と早合点しない方がいいということ。
むしろこういう夫は自己チュー性格ではなく、思いやりがある場合が多いので、性に対する歪んだイメージを修正していくことさえできれば、「女性に優しい性生活」を再出発できる可能性も高いのです。