結婚して最初に話し合わなければいけないのが、生活費の取り決め。
それぞれ収入がある夫婦だと、生活費の負担割合をどうするのか、悩んでしまうのではないでしょうか。
共働き夫婦だと「夫婦で生活費を折半する」というケースも少なくありません。しかしさまざまな事情で、生活費折半はおかしいと考える人も…。
今回は夫婦の生活費折半についてどのように考えているのか、3人の奥さまたちに話を伺ってきました。
環境によっては「夫婦で生活費折半」は不公平?
――共働きで夫婦どちらも収入がある場合、生活費を折半するという選択肢も少なくありません。しかし、夫婦で生活費を折半にするのはおかしいという人も。みなさんは、生活費の折半についてどのようにお考えですか?
梨花:私は普通だと思っています。夫も私も同じくらいの収入なので、お互い同じくらい負担するべきです。
加奈子:梨花さんのご家庭は、家事や育児の負担割合ってどうなってますか?
梨花:我が家には幼稚園児の子どもが2人いるので、家事や育児はきっちり分担しています。どちらかが残業のときはどちらかの負担が大きくなってしまいますが、それはお互い持ちつ持たれつということで…。
加奈子:家事や育児の負担も一緒なら、たしかに生活費の折半は普通かなって思うかも…。私もお互いにフルタイムで働いていて収入が同じくらいなんですが、いま妊娠中で。産休・育休中も同じだけの金額を負担してほしいって言われたんです。あまり家事もしない人なのに、なんだか不公平だなって思います。
桜:収入差があるのに夫婦で生活費を折半にするのはおかしいですよ。それに加えて妻のほうが家事の負担が大きいなんてなったら、かなり不満に感じます。
加奈子:やっぱりそうですよね。その辺を臨機応変に対応できるなら、生活費の折半は問題ないなと思っているんですが…。夫は趣味にお金を使っているので、負担が増えて、趣味のお金が減るのが嫌なんだと思います。
桜:そういう理由でもめてしまいやすいから、私は夫婦での生活費折半はおかしいと思う派です。
――桜さんは夫婦折半がおかしいと思うんですね。詳しい理由を伺ってもいいですか?
桜:はい。先ほど加奈子さんの話を聞いてあらためて思ったのが、収入差があるのに生活費を折半するというのはかなりおかしいということです。また折半にするなら家事の分担もフェアにするべきだと思ってて…。もし妻側がワンオペ状態で、夫と同じだけの生活費を負担しているのならかなり不公平だと思います。
それにもしどちらか一方が仕事をやめることになった場合、収入がいきなり減ってしまった場合、夫婦折半だと対応するのが難しいですし、貯金もしづらいですよね。子どもの教育費や老後の資金、そういったものをしっかり貯めにくいなと思います。
梨花:我が家では「貯金代は毎月いくら」と決めているので、貯金しづらいと感じたことはありません。むしろお互いに毎月同じ金額を貯金にあてられているので、効率的にたまっているなと。
桜:個人で残りどれだけのお金があって、そのお金を何に使っているかとかはわからないですよね?貯金額より、趣味に使うお金のほうが多い可能性だってあります。子どもの教育資金にもっとお金を回してほしい…と思うことだってあるかもしれません。
加奈子:私はそういうとき、話し合いでその都度貯金額を増やせればと思っているのですが、甘いんですかね…。
梨花:我が家も話し合いでお互いに納得したうえで増やしていますが…夫婦によっては納得できず、もめる可能性もゼロではないのかな。
桜:梨花さんご夫婦のように夫が協力的なら問題ないと思うのですが、私の夫は趣味大好きな人なので、絶対にもめるのが目に見えているんです。
加奈子:私の夫も趣味命な人だから、そう考えるともめてしまうかも。何かが起きたときのルールはやっぱりあらかじめ作っておきたいな。ルールを話し合って作っておけば、夫も言うことを聞いてくれると思うので。
――なるほど。加奈子さんはルールありなら夫婦折半でもいいというタイプだそうですが、梨花さんはルールなど定めましたか?
梨花:参考になるかはわかりませんが、我が家は「収入の負担が減る場合はもう一人の負担を少し増やし、足りない分を貯金で補う」としています。足りない場合用の貯金も日ごろからしていますね。
あと毎月家計簿を確認して夫婦折半の予算が足りているかを確認し、ライフステージが変わるたびに予算の話し合いをするというルールを決めています。基本的には片方の負担が重くならないようにして、家計には透明性を持たせるよう心がけています。
桜:夫婦折半というのは、最初からお互い賛成だったんですか?
梨花:はい。というか…我が家は夫が夫婦折半を提案してくれたんです。私が趣味に結構お金を使うタイプなので、お小遣い制にすると自由にお金使えないでしょ?って。
加奈子:きちんとルールを作れて、なおかつ夫婦でお互いに納得しあっているなら、夫婦折半っていう選択肢はアリですね。
――ところで夫婦折半にも「目的別に分担する」という方法と、毎月決まった額をひとつのお財布にまとめてやりくりする、という方法があると思います。梨花さんと加奈子さんはどちらのパターンですか?
梨花:私は決まった額をひとつのお財布に入れる方法です。どれだけ残業が増えて収入が多い月だったとしても、決まった額は変わりません。
加奈子:私は目的別に分担してます。私は食費や光熱費、夫は家賃や通信費、保険料などの固定費です。大体金額は同じくらいになるようにしています。
梨花:食費を節約すれば、加奈子さんの負担減るかも?
加奈子:微々たるものですが…(笑)
――加奈子さん夫婦は現在夫婦折半をしているとのことですが、最初は納得しあっていたのでしょうか?
加奈子:そうですね、納得はしていました。でも子どもができたらどうするとか、ライフステージの変化にどう対応するかとか、細かいルールを取り決めなかったので後悔しています。条件をしっかり決めていれば、問題なく夫婦折半を続けられていたと思いますね。
――桜さんは「夫婦で生活費を折半する」という話にならなかったのですか?
桜:なりませんでした。当初私の給料は夫の半分程度しかなかったので、折半なんてしてしまうと負担がかなり大きくなってしまいますし。それなら夫の稼ぎだけでやりくりして、私の給料は全額貯金で、それぞれお小遣い制度にしたほうが喧嘩せずに済むだろうと。
梨花:収入がそれだけ違うなら、私も夫婦折半にはできなかったかな。
加奈子:収入差って大きいですよね。
――生活費を折半にした場合、相手が残ったお金を何に使っているのかわからず不安という声をよく聞きます。みなさんは、夫がお金を何に使っているのか知っていますか?また、自分の使い道は話していますか?
梨花:実は、うちはお互いのお金の使い方にあまり首を突っ込まないようにしています。
加奈子:てっきりオープンだと思ってました!
桜:ご自分のお金の使い方もお話ししてないんですか?
梨花:はい。推し活にとんでもない金額を突っ込んだとしても、夫には話してませんし、夫も聞いてきません。ここで首を突っ込むともめると思っているので…まぁ趣味の内容は知ってますけどね。手元に残ったお金は、自分が汗水流して手に入れた、自分だけのお金です。だから自由だと思うんですよね。もちろん使って不利益が生じれば自己責任ですが。
桜:もし夫が夜のお店にお金を使っていても、文句はない?
梨花:全然ないです!自分で働いたお金で遊んでるだけなので、どうぞご自由にと思います。
加奈子:すごい…私は絶対に嫌だし、気になって仕方がないです。何に使ってるの?って…私も自由に使いたいから口出しはしませんけど。
桜:私は夫婦折半ではなくお小遣い制ですが、お小遣いのなかだったとしてもどうやりくりしているのか気になっちゃう。無駄遣いしてたらその分貯金して、って口も出しちゃうかも…。
夫婦で生活費を折半する場合は、「相手の趣味に干渉しすぎない」「ライフステージの変化に合わせたルールを決めておく」「お互い納得して始める」「こまめな話し合い」など、最初に考えておきたい項目がいくつかありそうです。話し合いでまとまらない場合は、折半以外の方法を取ったほうがよいかもしれませんね。
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