愛する人にプロポーズをしたりされたりした後、次のアクションとして何を思い浮かべますか?
指輪を見に行ったり式場の見学をしたり。もしくは両親に報告でしょうか。
身体が男性と女性のカップルであった場合は問題ないプロポーズ後のアクションも、身体が同性同士のカップルであった場合異性同士よりも困難が伴う場合があります。
今回はそんな結婚式や結婚指輪の購入の際に同性カップルの役に立つ、マイナビウェディングが手がける「OVER THE RAINBOW WEDDING」をご紹介。
筆者は2016年に同性のパートナーとウェディングフォトを撮影、2023年にパートナーシップを宣誓したLGBTQ+当事者。2016年のウェディングフォト撮影当時のサービスと比べつつお話しします。
式場とLGBTQ+当事者の橋渡しに
昨年2023年は少しずつ街中や観光地への人流も戻り、コロナ禍で控えられていたイベントもかなり再開されるようになりました。
人生のイベントでもある結婚式も、そのひとつ。筆者も友人の結婚式に参列させてもらいました。
前述の通り、LGBTQ+当事者が結婚式やウェディングフォトを撮影したり、結婚指輪を購入するのはハードルが高く、困難が伴う場合があると言われています。
同性であることを理由に利用を断られたり、異性愛者のカップルのように真っ当に扱ってもらえず心ない言葉を投げかけられたり。
筆者も「結婚式場の利用を断られた」「結婚指輪を買いに行ったらジュエリーショップに門前払いをくらった」という体験談を何度も耳にしていました。
「OVER THE RAINBOW WEDDING」は、LGBTQ+当事者がそんな悲しい経験をせずに済むよう、当事者とLGBTQ+フレンドリーの結婚式場や結婚指輪を取り扱うジュエリーショップの橋渡しをするサービスです。
特設サイトではLGBTQ+フレンドリーな式場やジュエリーショップを用途別、エリア別で検索することができます。
ウェディング相談チャットも設けられており、指定の営業日の営業時間内であればチャットを通じてアドバイザーに相談をすることも可能。
当事者に向けてだけでなく、参加事業者へ向けた「結婚式場・ジュエリーブランド向けハンドブック」も無料でダウンロードできます。
ハンドブックには、当事者のニーズに合わせたおもてなしや接客のために必要なLGBTQ+の基礎知識から、接客の際に意識したい心得などを当事者の実際の声とともに掲載、解説されていました。
接客についての掲載は結婚式場編、ジュエリーショップ編、結婚式場・ジュエリーショップ共通編と分かれていて、筆者が拝読した印象としても細やかな内容でした。
ハンドブックの監修はLGBTQ当事者や女性、外国人などの多様な人材へ向けた求人サービス「ジョブレインボー」を運営する株式会社JobRainbowが監修を担当しています。
ウェディングフォト撮影時に感じた不安
前述の通り、筆者が身体の性別が同性であるパートナーとウェディングフォトを撮影したのは2016年。渋谷区で全国初のパートナーシップ制度が開始された翌年のことでした。
- レポートはこちらから
- 撮影して本当によかった…!涙があふれた「ウエディングフォト」のすゝめ
ニュースなどで「LGBT」の4文字を目にするようになって間もない時期で、いま以上にLGBTQ+フレンドリーな式場やジュエリーショップを見つけることは困難な状況。
SNSを中心に実際に式場の利用を断られたり、心ない言葉を投げかけられ、指輪の購入を断念した当事者の体験談もよく見られました。
当時の筆者とパートナーもLGBTQ+当事者を取り巻く環境を鑑み、「自分たちも心ない対応をされて嫌な思いをするのでは」と不安になり式場を探すことに抵抗がありました。
当時は「OVER THE RAINBOW WEDDING」のように大手企業が主体となって当事者と事業者が繋がることができる取り組みはありませんでした。
そのときは、たまたまSNSを通じてLGBTQ+フレンドリーの式場を紹介してくれるNPOと出会うことができ、NPOに紹介いただいた式場でウェディングフォトを撮影。
紹介していただいたおかげで、式場探しから撮影の終わりまで嫌な思いをせずに済んだのでとても感謝しています。
性別を理由に断られない・差別的な言葉を投げかけられないことが前提で相談ができる、異性愛者のカップルであればしなくて済むような心配がないというだけでとても安心できました。
もちろんNPOだと不安ということはありませんが、今回のように大手企業もこうしたサービスを提供してくれると利用者側の選択肢も広がり、当たり前のものとして世の中に浸透していく要因になってくれると思うので、筆者個人としては大変喜ばしいことだと感じます。
利用したNPOで紹介できるのは式場だけだったので、結婚指輪を購入するためにジュエリーショップにはほとんど必ずと言っていいほど「同性カップルですが見学に行ってもいいですか」と添えた来店予約をして、足を運んでいました。
幸い予約を断られることはありませんでしたが、予約の返事が届くまで受け入れてくれるか毎度不安ではありました。
「OVER THE RAINBOW WEDDING」はジュエリーショップの紹介にも対応しているので、その点安心ですね。筆者のときにもあればよかったのに、と思います。