日本とどう違う?韓国人の離婚事情
1.数字で見る韓国人の離婚
韓国統計庁の2020年の資料によると、韓国国内での離婚件数は年間10万7000件です。婚姻件数は年間21万4000件ですから、離婚率がかなり高いことがわかりますね。また、この年の外国人との婚姻件数は1万5000件、外国人との離婚件数は6,000件です。
統計からもわかるように、韓国では離婚することはそんなに珍しいことではありません。しかし、あえて日本と違う点を挙げるとするならば、韓国は本当に教育熱が高い国なので、離婚する場合も子どもの教育に影響しないよう、子どもの教育がひと段落するまで待つ夫婦も多いことです。このような理由もあり、韓国でも熟年離婚が増えてきています。
韓国人同士であれば、離婚届を提出すれば離婚が成立します。シンプルですね。離婚した後の財産分与や親権については各自協議が必要で、そこは日本と変わりません。
しかし国際結婚したカップルの場合は、離婚するとなるとかなり煩雑な手続きが必要になるようです。韓国の日本大使館のサイト上に詳しく書かれているので、気になる方はこちらをご覧ください。
2.親権は?子どもの苗字はどうなる?
さて、みなさんが気になるのは、離婚したあとに「何が変わるのか」ということだと思います。
日本では女性が苗字を旧姓に戻すことが多いですが、韓国はそもそも夫婦別姓なので、離婚しても苗字はそのままです。子どもがいる夫婦の場合、母親が親権を持つと、子どもの苗字を母親の名字に変えることが多いようです。
いま日本でも夫婦別姓が話題になっていますが、夫婦で別々の姓を名乗り、生活している筆者からすると、特に不便はないのではないかと思います。むしろ、仕事をしている女性が仕事とプライベートで苗字を使い分ける必要がなく、結婚・離婚時にどちらかが姓を変える必要がないといった点では、夫婦別姓の方に利があるとすら感じます。
韓国では苗字のバリエーションが多くありません。
東京外国語大学が出している資料を見てみても、人口の半数以上の人が、上位5つの姓のどれかに当てはまります。同じ名字の人が多すぎるので、フルネームで相手を呼ぶことが多いほどです。
- 少し古い資料ですが、新しい資料をみてもだいたい同じような結果だったので、日本語表記されている資料を提示します。
- 金(キム)さん:韓国人口の約21%
- 李(イ・リ)さん:約14%
- 朴(パク)さん・約8%
- 崔(チェ)さん:約4%
- 鄭(ジョン)さん:約4%
私の知り合いの韓国人夫婦が離婚して、子どもを母親が引き取ったのですが、夫婦ともに“キムさん”だったので、子どもの名前が変わらなかったというエピソードがありました。