こんにちは。韓国在住3年目、日本語教師でライターのHAZUKIです。
いま、韓国映画が世界から注目されています。先日は映画『ミナリ』が2021年アカデミー賞を受賞しました。また映画内でおばあさん役を演じたユン・ヨジョンさんのスピーチもユーモアがあり、話題になりました。
- 映画『ミナリ』日本公式サイトはこちら
このようにアジアだけでなく、世界から注目されている韓国映画ですが、韓国に住んでいると、世界の人々の反応と韓国人の反応が少し違うケースがあることに気づきます。韓国人はまわりに流されず、自分の意見をはっきりいうので、特に顕著にそれを感じるのです。
今回は、世界的なフィーバーを巻き起こしたけれど、韓国人の反応はそれほど…だった作品をご紹介します。ただし、決して韓国での評価が低かったというわけではないことを、先にお伝えしておきますね。
カンヌ受賞作品は、韓国映画あるある設定?
その作品とは、2019年、第72回カンヌ国際映画祭の最高賞を受賞した映画『パラサイト 半地下の家族』。韓国語のタイトルは 『キセンチュン(寄生虫)』です。
他人の家に寄生虫のように住みつく家族、という意味があるようです。日本では『寄生虫』という別の映画作品があるので同じタイトルを避けたのかもしれませんね。
作品は見たことなくても、この作品で注目を浴びた「ポン・ジュノ監督」、「チャパグリ」(韓国を代表するインスタントラーメン「チャパゲティ」と「ノグリ」を掛け合わせた料理)、「半地下」というキーワードを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
カンヌ国際映画祭の最高賞を受賞したことからもわかるように、世界中の視聴者からの反応はとても熱く、日本人の筆者も最後までとても楽しく観ることができました。
YouTubeで「パラサイト 外国人 反応」と検索すると、世界各国の人たちの反応や、感想をチェックすることができます。レビューを見ると、世界の人々は、韓国特有の文化である半地下や韓国の食べ物に魅力を感じるのかもしれません。
- 筆者のおすすめレビュー動画はこちら
しかし、韓国人の反応は世界と違いました。筆者周辺の韓国人に聞いてみると「確かに面白い。けど、特にそれ以上ではない」とのことです。その理由は、「韓国ではあるあるの設定で、だいたいストーリーが予想できるから」だそうです。
それでも外国人の私たちは楽しく観ることができる作品だと思います。最近はNetflix(ネットフリックス)でも視聴できるようなので、韓国の文化に関心のあるかたは、ぜひ週末に観てみてくださいね。きっとチャパグリが食べたくなりますよ。
筆者の考えですが、韓国人にとって『パラサイト 半地下の家族』は、日本人にとっての映画『君の名は。』(2016年、新海誠監督)のようなものかもしれません。『君の名は。』は、言うまでもなく名作ですが、日本では『時をかける少女』など、似たようなテーマの作品が既にあったので、斬新な映画か?と問われると、筆者は「うーん…」と首をひねってしまいます。
しかし、韓国人には『君の名は。』はかなり斬新に映るようで、好きだという人がとても多いんです。筆者はいま韓国の中学校で日本語を教えているのですが、そのクラスの生徒のほとんどが『君の名は。』のファンです。カカオトーク(韓国ではメジャーなスマホの無料通話・メッセンジャーアプリ)のプロフィール写真を映画のワンシーンにしていたり、Instagramのユーザーネームをkiminonahaにしている生徒もいるくらいです。
『君の名は。』は日本でも大ヒットしましたが、ストーリーの新しさといった点で、海外で高く評価されました。『ミナリ』はその“韓国版”といえるのかもしれません。
ここまでは、世界的なフィーバーを巻き起こしたけれど、韓国人の反応はそれほど…だった作品をご紹介しました。最後に、韓国国内でかなり評価の高い作品をいくつかピックアップしてご紹介します。
韓国人が勧める韓国映画
韓国人が勧める韓国動画
どれも韓国人に「必ず観たほうがいい」といわれて観たら、とても面白かった名作です。Netflixで観られる作品も多いので、『ミナリ』や『パラサイト 半地下の家族』とともに、ぜひご覧くださいね!
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