親にできる「心育て」のサポートとは
「心育て」のサポートは、良い人に育てることではありません。自分の中にある人間の良い心だけでなく、悪い心もわからないといけません。
いろいろな人間の心の機微を知ったうえで 、将来、立派な人格をめざせるように、自分づくりの土台をつくることが、「心育て」のサポートです。
良い心と悪い心
人間には2つの心があります。
清く澄んだ「良い心」と、欲にまみれた「悪い心」です。どの人も、「良い心」と「悪い心」の両方を持っています。
しかし両親や身近な人が、善の心の持ち主だったり、お金にも恵まれ不自由なく暮らせると、比較的、良い心を多く維持することができます。
反対に、周囲に過不足の心を持つ人がいたり、お金に不自由で屈折した不遇な生活だと、悪い心が芽生えやすくなります。すると、善の心だけを維持するのは難しいものです。
同じ環境でも、善悪に染まりやすいタイプとそうでないタイプの人がいます。
さらに、何不自由なくのんびり育ったにもかかわらず、育っていく過程で不遇や不運を経験すると、心の中でさまざまな感情や葛藤が芽生えてきて、悪い心をコントロールできなくなるかもしれません。
そういう感情を経験すると、人の複雑な心模様も見えるようになります。以前のくったくのない性格とは別人のようになり、驚かされることがあります。
日なたにいると日陰はよく見えません。しかし、 日陰にいると日なたはハッキリ見えます。真黒な日陰であればあるほど、よく見えます。
善の心を持った人は、悪人の気持ちはよく見えません。しかし、悪人は善人の心が手にとるようによく見えます。だから良い人は、騙されやすいといいますね。