フェミニストではない人との接し方
では、実際にフェミニズムへの理解がないパートナーや知識がないパートナーとどのようにコミュニケーションを取るべきかについて考えてみましょう(※あくまでも筆者の個人ベースでの考えです)。
1.誰かを「攻撃」しない
「フェミニストは怒っている人たちなんでしょ?」
フェミニズムへの理解がない人のなかには、フェミニズムに対してネガティブなイメージをもっている人もいます。
そういったイメージから、フェミニズムを支持する人と連帯して活動している方が「私はフェミニストではないけど〜」と前提を置く場面をよく目にします。
本来、フェミニズムとはすべての人が生きやすい社会をつくるための学問であるはずなのに、その問題と向き合う以前にまた違った問題が勃発してしまいます。ひとつの問題をめぐって、誰が被害者/加害者なのかが過大解釈され、「男/女はこうだ」という論争がなされる傾向があるからです。
誰かを攻撃するのではなく、一緒に問題と向き合うこと。それがフェミニズムの役割であり、我々が解釈すべきことでもあるのです。
2.相手を否定するのは逆効果
筆者自身、自分と違う考えをもつ人に対して反抗的な態度を示してしまった経験があります。相手の意見に対して「NO」と全否定することは、結果その人もこちらの意見に聞く耳をもたず、ただお互いの関係の悪化につながるだけでした。
さまざまな価値観が存在することは当たり前のこと。自分の意見を述べる人は、ただ喧嘩をしたいのではなく、その人なりの解釈を相手にもわかってほしいと思う場合がほとんどです。
そういった違いを聞き、それに対してどう思うかを伝えることがいかに大事であるのかを学びました。喧嘩ではなく話し合うことで、お互いにとっての新しい気づきにもなるかもしれません。
3.違う価値観を自分のものにする
大人になると、見過ごされがちなことが増えていきます。会社でのセクハラや家庭内暴力など、さまざまな話を見聞きしますが、いまの社会では「仕方ない」と完結されてしまうこともあります。
私も、過去に女性であることで受けた被害を経験したとき、助けてくれると思っていた人から「社会に出ればそんなことは当たり前だよ」と言われ、ショックを受けたことがありました。それらはもちろんトラウマとして残りますし、当事者にとって忘れることは難しいほどの出来事です。
そういった経験を通し、私はこの違和感をなかったことにしたくないという感情が芽生えるようになりました。
違う考え方をもつ人によって発見されたモヤモヤは、私たちが解決しなければならない課題として表面化されます。
私の場合、違う価値観と自らの経験を利用して、今後の社会を変えていくための活動を行っています。
フラッシュバックによりつらい思いをする人もいるため、すべての人が声を上げるべきだとは思いません。ですが、何か違う意見をもらったとしても、それがいまの社会の問題なのだと知り、より改善点が明確化されるきっかけとなると信じています。
上記で紹介したこと以外にもさまざまなコミュニケーションがあります。フェミニズムという言葉に抵抗感のある人には、テレビで見たニュースを話したり、意見交換してみるのもいいかもしれません。
その人がただマイナスのフィルターをもっているだけで、もしかしたらフェミニズムという考え方をもっている場合もあるのです。
また、互いに違う価値観や考えがあったとしても、すぐに突き放すのではなく「私はこう思うけどあなたは?」と意見を共有できるといいですね。
新しい視点をもつと、意外にも価値観は変わるものです。価値観が違うからダメだと思わず、まずはコミュニケーションを取ることから始めてみてください!
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