一生一緒に、そう思える理由は魔法にある
さまざまな女性たちを施術し、話を聞くなかで、パートナーとの結婚を決めたという女性たちには、この“魔法”のようなものをパートナーとの間に持っているという方が多い。
景色の画像を送り合うことや銭湯に行くことに加えて、お花を交換し合うという人やテーマを縛って討論会のように話し合うなんて人もいた。
それぞれみんな私と出会ったころには既婚であったり、これから結婚しようとしていたりする人たちだった。そのパートナーと一生生きることを決めた理由にこの“魔法”があるんじゃないかと思う。
付き合っているときは、お互いの「好き」という気持ちがふたりを繋いでいる。でも結婚するということは、それ以外のものがたくさんふたりを繋いでしまう。
あえて「繋いでしまう」と書いたのは、シンプルにいかないことが増えるからだ。
付き合っていたころはただ好きなだけでよかったのに、結婚となるとお互いの生活リズムや金銭のこと、親族との関係や自分の仕事の悩み、パートナーへの負担…いろいろなことが混ざり合い、お互いをつなぐものがお互いの身体に絡みついて、苦しくなる瞬間が必ずある。それが原因で結婚に至らない人たちや離婚を決める人たちも多くいる。
けれど、そこにふたりだけの“魔法”があったなら。この魔法は、身体に絡みついたものたちばかりに向いた意識を遠くのほうへ飛ばす力があるのではないだろうか。
それぞれやふたりの間に渦巻く問題によってガチガチに入ってしまった力をふっと抜かせ、お互いを少しだけ楽にする方法。それはふたりだからわかる価値観のなかで生まれ、ふたりだけにしか通じない“魔法”のような気がする。
それができるとわかったからこそ、「この人とは一生一緒にいられるな」と思ったりして結婚したくなるのかもしれない。
「なんで結婚しようと思ったの?」そう聞かれたとき、いろいろな理由を並べられるけれど私はいつもこう答える。
「無人島で極限状態になっても、この人だったら一日に一回は笑えると思ったから」
どんなことがあっても、笑える、楽になる。そんな魔法を持ったふたりならきっとどうにかやっていけるのだと思う。
きょうは、満月。「おうちからよく見える」の言葉と一緒に、窓から覗いた月の写真を送った。しんどい仕事もこれで楽になればいいなと、きょうもLINE越しの魔法を使ってみた。
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