こんにちは。メンタルトレーナー&心理カウンセラーの吉田こうじです。大人になってもあなたを苦しめる『「毒親の呪縛」を本気で断ち切る実践トレーニング』を連載しています。
本記事内に登場する「毒親」とは
子どもに対する拒絶、侮蔑、無視、過干渉、虐待などによって、子どもの心身に罪悪感、劣等感、不安感。過剰な義務感、不足・欠乏感、羞恥心、無価値感などのネガティブな思考や感情を継続かつ執拗に植え付け、それによって子どもを「自分の所有物」かのようにコントロールする親のこと。また、「親」とは実の親のみならず、「親代わり」の身近な人も含めます。
前回は、「虐待する親によくある4つの特徴」をご紹介しました。今回は、子どもに対して虐待を繰り返す「親の論理(言い訳)」と、「虐待を黙って傍観している親に対する子どもの心理」についてみていきたいと思います。
子どもに虐待を繰り返す「親の論理」
もしも、親よりも子どもの方が「知力」「体力」「精神力」が強くて、子どもに暴力を振るった日には、ぐうの音も出ないくらいに子どもに「倍返し」される可能性があるなら、そもそも親は子どもに暴力的な虐待をすることはないでしょう。
ということはつまり、「やり返してこないことを知っている」「やられっぱなしになることが分かっている」から暴力的な虐待をしているといえるわけです。それも継続的に…。
そう考えると、自分だけ有利で安全なポジションを確保した上で、ただでさえ自分よりも弱い子どもを、さらに力でねじ伏せるという卑劣で卑怯な行為をする親は、たとえどんな理由があるにしても、本質的には「臆病で、卑劣で、計算高く、弱々しい心根を持っている人」ということがいえるのではないかと思っています。
実際、子どもに対して継続的に虐待をするような親は、子どもを暴力で支配屈服させるために、卑劣で卑怯で弱々しい自分を隠し、自分にとって都合のいい理屈をつけて虐待行為の正当性を主張しようとします。
「お前のために叩いてあげているんだ」
「私が子どものときはもっと酷かった。それに比べたらこれくらいどうということはない」
「親がどんなに辛い思いをしているのか体で教えているだけだ」
「自分の子どもなんだから親が何をしたっていい」
「大人になったときに、ちょっとしたことでへこたれない人に育てるためだ」
「(他のことは色々とやめることができているのに)叩くことをやめることがどうしてもできないから仕方なく」
…などなど。
さすがに、「虐待するとスッキリするから」とか、「虐待される方が悪い」と親に直接言われたというのは聞いたことはありませんが、内心どうかまではわかりません…。
いずれにしても、どんなに理由(言い訳)をこねくり回しても、暴力によって抑えつけられ虐げられた子どもの心には、強い怒りや復讐心、自己嫌悪、人や社会への不信感や敵意、無力感、無能感などが刻み込まれていきます。