「勉強しなさい」の結果…
Kさん(父親)はある休みの日、家で何時間もテレビを見ているお子さん(小学6年生の男の子)を見ました。もういい加減テレビを見るのをやめ、そろそろ勉強してほしいと思ったそうです。
そしてお子さんに向かって「勉強しなさい」と言いました。
Kさんのお子さんは、私も会ったことがあるのですが、とても素直で、たまに反抗することもあるようですが、両親の言うこともよくきく子です。
Kさんのお子さんはテレビを消し、勉強道具を持ってきて勉強を始めました。
Kさん宅では、お子さんはリビングにあるテーブルで勉強する習慣になっているそうです。
お子さんが勉強しているとき、Kさんはお子さんの向かいに座り、本を読んでいました。そしてときどきお子さんの勉強の様子を見ていました。
そのとき、Kさんはあることに気づいたのです。
それは、お子さんの勉強の能率が非常に悪いことです。気乗りがしなく、ただノルマをこなしているように見えたそうです。
その後もこのようなこと、すなわち「お子さんがテレビを長々と見ている→勉強しなさいと言う→勉強し始める→勉強の能率が悪い」ということが何回かあったそうです。
Kさんはいろいろ考え、「あること」を思いつき、試してみたそうです。
勉強しない子に対する声かけのコツ
「あること」とは、次のような行動です。
別の休みの日、またいつものようにお子さんは長々とテレビを見ていました。
Kさんは「勉強しなさい」と言いたい気持ちを抑え我慢したそうです。そして、CMになったときに「テレビは何時まで見るの?」と尋ねたのです。
お子さんが「○時まで(1時間後の時刻)」と答えたので、「じゃあ、○時から勉強しよう」と言いました。
○時になり、お子さんはテレビを消し、勉強を始めました。Kさんは向かいに座り本を読みました。
そのときのお子さんの様子を見ると、いままでの勉強態度と違ったそうです。集中して積極的に勉強している様子が見ていてわかったといいます。
Kさんが、このことを繰り返してみたところ、お子さんは毎回集中して能率よい学習を行っていたそうです。
この話を聞いて、お子さんが何かを楽しんでいるときに、親御さんが「勉強しなさい」と言うのはマイナス効果だと強く感じました。
先ほど述べたように、大人でさえ何かに熱中していたり、何かを楽しんでいる最中に、「○○して」とか「○○しなさい」と言われ、喜んでする人はいないと思います。
子どもにとっても、何かを楽しんでいるときに「勉強しなさい」と言われることは、本当はとても嫌なことなのです。
しかし、親は子どもに対して「勉強しなさい」と言ってしまいますし、子どもも「勉強しなさい」と言われることに慣れてしまっています。
お子さんがなかなか勉強せずに、何かほかのことを楽しんでいるとき、すぐに「勉強しなさい」と言うのを我慢し、タイミングを見計らって、言い出してみたらいかがでしょうか?
またその際、口に出す言葉は「勉強しなさい」ではなく、Kさんのように「○時から勉強しよう」とか「もうそろそろ勉強しようか」など、お子さんの気持ちを考え工夫してみることも必要だと思います。
親の言葉により、お子さんが積極的に勉強してくれたら、お子さんにとって大きなプラスになるわけですから。
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