長い期間夫婦でいると、不満があるときに感情のままぶつけてしまったり、雑な言い方で怒らせたりと、甘えや油断が出ます。些細なことでも、そんな姿が愛情を削ることは避けられません。
不満こそ、距離の近い間柄なら相手の気持ちを考えた伝え方が肝心です。
円満夫婦は、自分の気持ちの発散より結果を重視した言い方を考えています。きょうは、仲のいいふたりはどんな言葉を使っているのか、聞いてみました。
「何でこのやり方を選ぶの?」
「靴下を裏返しで出す夫に何回も注意したのですが聞いてくれず、しまいには『もういい、俺が自分で洗うから』と言われたときには本当にキレそうでした。
そんな非現実的なことは到底OKできず、あれこれ考えたのですが『何で表に返さないの?』とある日聞いてみたら『ホコリが溜まっていそうだし、表のまま洗うと裏まできれいになるかわからないから』と返されて脱力。
夫の言い分にも一理あって、最初から理由を聞けばよかったと思います。
それからふたりで話し合い、『裏返しのまま洗濯するけど、表に返すのは夫が自分でする』と決まりました。
どうしてそのやり方を選ぶのかはは、最初に確認するのがいいですね」(女性/34歳/看護師)
こちらの希望を配偶者が聞いてくれないときは、なぜそうするかの理由を確認すると、いいやり方が見つかるときもあります。
ストレートに「こうして!」と言われると屈折しますが、理由を聞いてくれたら本心を伝えやすいですよね。
自分には自分のやりやすい方法があるとしても、すれ違うときは相手の考えを聞いてみるのも、大切なコミュニケーションといえます。
「こうしてくれると助かる」
「ベタですが、夫に不満を言うときは『こうしてほしい』と具体的に伝えています。
食べ終わった食器をシンクに置いたら水で一度流してほしいときは、『油とか固まると洗いづらいから、面倒でもちょっと流しておいてくれたら助かる』まで言うと、夫も理解してくれます。
こんなことでも、想像できない人って、男女問わず結構いますよね。
『置いたままにしないでよ!』だけ言っても理由がわからないので、変えてほしいことはそれをする意味までしっかり伝えるのが揉めないコツかなと思っています」(女性/30歳/インストラクター)
「妻に以前『家のなかでもだらしない格好はするなよ』と言ったら、『私の勝手でしょ!』とキレられ、放っておいたけどやっぱり気になるので『家のなかでもちゃんとした服を着てくれたら俺が助かる』と部屋着をプレゼントしました。
妻は素直に受け取ってくれて、『頭ごなしにだらしないって言われたのがショックだった』と話してくれました。
言い方ひとつで意固地になることは自分でも思い当たるので、こうしてくれたらうれしいまで伝えるのがいいですよね」(男性/35歳/建築)
不満について、「イヤなのだけど」とネガティブな感情をぶつけるだけより、「こうしてほしい」まで具体的に伝えると相手も抵抗感が少なくなります。
「やってほしい理由」がわかると、自分も歩み寄る幅を考えられるもの。配偶者に自分の状態を詰られるような言葉は、考え直したいとしても素直になれませんよね。
「助かる」「うれしい」のような前向きな言葉が、相手の心を開くと思いたいですね。