「私だけだったことが悲しい」
「家族との約束を夫が破り、『仕方ないだろ』と開き直るのを見たときは、カチンときたけど『楽しみにしていたのは私たちだけだったんだね、悲しいよ』とため息をつきました。
そのときはたまたま夫のミスが原因で、それを責められるのが嫌だったのだろうなと思います。
私が怒るだろうと予想していたらしい夫はうなだれる私を見て慌てていて、『次はちゃんとするから、ごめん』と謝ってくれました。
いつもなら確かに怒るところだけど、それだと夫も意地になるばかりだと思うし、それより悲しんでいる姿を見せるほうが罪悪感が湧きますよね。
何より、楽しみにしていた子どもたちに謝ってほしかったので、夫がすぐに折れてくれてほっとしました」(女性/36歳/公務員)
何かアクシデントがあって相手に原因がある場合、それを一方的に責めてしまうと溝ができるだけになります。
反省してほしいときは、「悲しい」「つらい」と受け止めている自分を見せると相手は罪悪感を覚え、謝罪する気持ちが湧いてきます。
これに反発するなら喧嘩になりますが、素直に折れてくれるのは自分が悪いと本心ではわかっているからです。
謝る勇気を持ってもらうためにも、感情を伝えるのは有効といえますね。
「知っておいてね」
「夫とはあまり大きな喧嘩をすることなく20年ほど続いていますが、お互いに不満があるときは『最終的にどうしてほしいか』までしっかり話すようにしています。
食事について『味付けが薄い』なら『もう少し濃い味にしてもらえたらご飯が進むからうれしい』とか、買い物に付き合うときは『待つばかりだと疲れるから、先にお店を決めておいてくれたら助かる』など、こうなってくれたらうれしいまで言うと従いやすい気がします。
『健康に気を使って薄味にしている』とかこっちにも言い分はありますが、言い返すみたいな形にすると、嫌な空気になりますよね。
『健康に気を使って薄味にしているから、それは知っておいてね』と伝えて、夫の好みの味でも作ります。
こういう言い方が当たり前になり、一方的に文句をぶつけるような場面はないですね」(女性/46歳/総務)
相手に不満を持ったとき、どうしてほしいのかを具体的に伝えるのはもちろん大切ですが、一方で「なぜそうしたか」を知ってもらうことも、夫婦仲を冷やさないためには考えたい言葉です。
「あなたのためなのに!」のように激高してしまうとこじれるばかりですが、「知っておいてね」と言われると気持ちが届きやすいですね。
ふたりでストレスのないやり方を見つけるのと同時に、自分の気持ちのあり方についても、お互いに理解しておくのが優しさを忘れない秘訣です。
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