「そのやり方だと私はつらいかな」
「夫はワンマンというか、思い立ったことはマイペースに進めるので付き合うのが大変です。
文句を言うと倍で返ってくるので黙って従いますが、夜中から『山に登るぞ』と起こされたときはさすがに嫌気が差し、『悪いけど、昨日から生理痛でお腹が痛いの。薬を飲むのも見ていたはずだけど、こんな朝早くから起こされても動けない』とはっきり言いました。
夫は黙り込み、結局起こしたことを謝ってくれました。
普段は優しくて私の意見をちゃんと聞いてくれるので楽しく過ごせるのですが、自分がしたいことになると押しが強いので、『そのやり方だと私はつらい』はあえて言わないといけないなと思います。
何でも私が付き合うものという思い込みが見えるので、嫌なことはしっかりNOを出すのが肝心ですね」(女性/45歳/専業主婦)
普段は仲良しなのに、あるときだけストレスが生まれるような状態はその都度「受け入れられない」と知ってもらうことが大切です。
相手には拒絶に感じられても、やり方の全部を受け止めてくれると思われるほうが危険。
NOを出すのは境界線であり、夫婦であってもお互いの気持ちを尊重するのは当たり前です。
自分の振る舞いを見返すきっかけとしても、「そのやり方だと私はつらい」と伝えることがスムーズな意思の疎通につながります。
「私はこうしてみたいけど、どう思う?」
「妻は頑固で、家族でドライブに出かけるときなど率先してハンドルを握ってくれるのは助かるけど、カーナビの指示通りに曲がれなかったときなど『こっちでも何とかなる』と修正せず無駄なルートを走るのが困ります。
そんなときは、『僕はこっちの道が走りやすくて早く着くと思うけど、どう思う?』と“お伺い”を立てるようにしています。
『そっちじゃダメだろ』と言うとムキになるのが目に見えているので、意見を聞く言い方にすると妻も『あ、そうね』と素直にうなずいてくれるのですよね。
たぶん『間違えた自分』が許せなくて意地になるのかなと感じるのですが、普段は僕と同じようにこっちの意見を聞こうとするし、衝突することはあまりなくて。
頑固になるような場面では、気持ちをたずねるような言い方がいいと実感します」(男性/39歳/自営業)
相手が間違えたりすると、つい「そうじゃないだろう」と口出しをしたくなりますが、そんな言葉が余計に相手をムキにさせる可能性があります。
それよりも、ほかの選択肢を提案して「どう思う?」と尋ねるほうが、相手も冷静に考えられるもの。
相手の状態にこだわるより正しく進めることが重要な場面では、対等な目線で提案することが険悪な雰囲気を防げます。