『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』
そして、もう一つおすすめなのが、Netflixオリジナル作品の『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』です。
オリジナルと比較すると、もともとの「造幣局からお金を盗む赤い服を着た集団たち」というあらすじ、登場人物の名前、役割などの大枠はそのままに、韓国ならではの北朝鮮との統一問題、社会格差などのディテールを加えたストーリーになっています。
では簡単にあらすじを説明しますね。
韓国語のドラマタイトルは「紙の家 合同経済区域」。この「合同」というのは、北朝鮮と韓国の合同という意味です。
いま現実では休戦中の韓国と北朝鮮ですが、物語の初めに南北統一をし、2カ国間で同じ通貨を使い始めます。
統一した朝鮮半島では経済効果が期待されたにも関わらず、「お金持ちがさらにお金持ちに、貧乏人がさらに貧乏に」なるだけで経済格差の溝が深まるばかりでした。
大学で南北問題について授業を行う「教授」は南北統一こそ、両国にとって最良の道だと強く信じていたのに、このような結果になり落胆。そして教授は、全国民のために過去最大の強盗事件を計画するのです。
この計画のモットーは、「誰も傷つけない」というもの。教授は、各地からそれぞれのエキスパートを探し出し、仲間に加えます。
このプロジェクトのメンバーは、お互いの素性を知りません。プロジェクトが終わった後も何か問題が起きないように、名前や年齢は明かさずに、お互いため口を使い、あだ名で呼び合います。
あだ名は、各自興味ある都市の名前にします。トーキョー、ベルリン、モスクワ、デンバー、ナイロビ、リオ、ヘルシンキ、そしてオスロです。
それぞれ経歴、出身地もバラバラ。とはいいつつ、韓国と北朝鮮は同じ言語を使うとは言え、それぞれ特徴のあるイントネーションなので口調で出身地がわかってしまうのがおもしろいところです。
ただストーリーが淡々と進んでいくわけではなく、予想できないハプニングやだんだん変化していく人間関係などにも焦点があてられていて、ずっと目が離せなくなります。
韓国と北朝鮮は、使う単語や助詞の使い方が全く違います。今回の俳優たちは韓国育ちなのに北朝鮮の言葉を自然に話す必要があったので、かなり演技力を試されたと思いますが、みんな自然な北朝鮮の言葉でした。
ペーパーハウスマニア、韓国マニア、ドラママニア、全員を満足させてくれる『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』。
まだすべてのエピソードが公開されていないうちから、次のエピソードが待ちきれず筆者は3回も見直してしまいました。ぜひお盆休みに一気見するのはいかがでしょうか?
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