生理のない・軽い日々の快適さから考えたこと
低用量ピルは毎月生理がくるようにする飲み方と、最長120日生理がこなくなるようにする飲み方の2種があります。あくまで僕の場合ですが、生理の症状が重かったため、医師と相談して後者の飲み方を選択しました。
最長120日とはいえ必ずその日数分の期間に生理がこないというわけではなく、途中で生理がきてしまうことも多いです。
生理がこない日数には個人差があり、僕の場合は服用を開始して最初の生理がくるまでの日数が70日代、その次の周期では90日代で生理がきました。
最長期間ではないものの2〜3カ月は生理がない生活を送ってみて、その快適さに驚かされました。生理前の激しい気分の落ち込みやイライラ感による心の不調や、生理痛による身体の不調がないと心身ともにこんなにも快適なのかと感動すら覚えました。
そして同時に生理がとても軽い女性や男性がその辛さを理解しがたいということにも、「生理による不調がないことがない、こんなに快適な状態で過ごしてきたなら辛さがわかるはずがないわけだわ」と妙に納得してしまいました。
以前は生理痛を堪えるために痛み止めを飲んで仕事をしていましたが、痛みを抑えきれないこともあり、痛みを取り除いても痛み以外のダルさや眠気、メンタルに出てしまった症状は残ったままの場合がほとんどでした。
生理がないということはその症状が丸ごとないということで、しかも僕の場合は低用量ピルを服用してからきた生理も、これまで悩んできたほとんどの不調が軽度になっていて、痛み止めも飲まずに過ごせています。
もしこれが低用量ピルを服用しなくても、毎月このくらいの症状におさまっていたとしたら、生理による辛さや苦労の度合いを勘違いしてしまっていたと思います。
まして男性だったら、理解をすることが難しかったのではないかと改めて感じました。そのくらい生理がない期間と軽い生理症状であることはあまりにも快適で、その状態が常だと考えたときに以前の重い生理症状は信じられないほど辛いものでした。
しかし辛さがわからないとして、生理が重いかたに何かを強いたりましてや「生理は病気ではない」と当事者以外が口にしていいわけではありません。
たとえ自分の身に降りかかっていなくてその辛さがわからないとしても、生理の症状が辛い時は辛いし、痛いものは痛いのです。
たしかに病気ではないかもしれませんが周囲のかたやパートナー、恋人が体調を崩して辛そうにしていたら心配ではありませんか?「体調が悪い」ということで言えばその理由が生理であるというだけで、風邪などのほかの病気で体調を崩していることとかわりないのですから。
むしろ僕は生理の辛さがわからないからこそ、体調が悪そうだったら「やってほしいことや、してほしいことはある?」と聞けるのではないかと思います。
このときに「○○しようか?」と相手が希望することを仮定せずに、希望することの範囲を広げているのにも理由があります。僕は生理症状が重いタイプでしたが、それでも月によって痛みなどの症状の度合いは異なりました。
普段はそこまで重くないけれど月によっては重いというかたもいて、その症状の度合いによってそのときにしてほしいことが変わることが珍しくなく、人と場合によってはなにもせずそっとしておいてほしいということもあります。
そのため、要望がわからないときは素直に「なにかしてほしいことはない?」と聞いたほうが親切。症状の度合いや状況によって断ることもあるかもしれませんが、その声掛けで気にかけたり心配をしてくれているということが伝わって嬉しいものです。
生理症状が重いことがすでにわかっている場合は、普段から生理で辛いときにやってほしいことについて話し合いをしておくとさらによいと思います。
いずれにせよ相手に合わせて気にかけることが大切で、それは生理の辛さを体感したことがなくてもできることです。
不安に感じることがあるなら、早めの受診を
低用量ピルの服用により生理が毎月ではなくなり症状も軽くなったいま、生理症状が重かった当時を考えると本当に生理症状の辛さは体験しなければわからないと思いました。
だからこそ、自分以外や身体が男性の場合は「生理症状はとても辛いものだけど、なかには軽い人もいる」くらいに重い・辛いをベースとして考えたほうがいいなと感じます。
また生理症状の出方や度合いは本当にさまざまですが、もしも自分や周囲、パートナーの症状があまりに重く辛い場合はレディースクリニックなどでの受診をすすめてあげてください。
僕のようにはじめは特に大きな問題がなくても、定期検診を重ねる間で病が見つかることもあります。チョコレート嚢胞が見つかった際も生理症状が重いということ以外に自覚症状はなかったので、もし定期検診をしていなかったら手術が必要になるほど肥大化が進んでしまっていたかもしれません。
重ねてになりますが、辛かったり不安に感じることがあればなるべく早く医療機関を受診をすることをおすすめします。
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