こんにちは。垣屋美智子です。現在私はスタートアップ企業の財務・経営支援をするほか、「誰でも今すぐできる」をテーマにマネー、ライフ、キャリアについて執筆、講演活動を行っています。
きょうは、「いまどきの女性のロールモデルをどう考えるか」「女性が社会進出するうえで抱えるリスク」についてお話しします。
読者からの質問:ロールモデル不在のなか、何を目指してどう進めばいい?
アラサー・既婚・外資系で働く会社員・女性です。社会人になってから、やりがいのある仕事を任されて、順調にキャリアアップしてきたと思っています。最近はチームも任されるようになって、本当に充実しています。
ただ、ふと客観的にいまの状況を考えると、将来の自分に対しての不安が出てきます。
私の会社にはアシスタントや人事などスタッフ業務をするワーキングマザーはいますが、女性の管理職は子どもがいない既婚者やバツイチの人やシングルマザーだったりして、バリバリ感が漂っています。
ロールモデル不在のなか、これから私は何を目指してどう進めばよいのでしょうか。
「管理職を目指せ」は誰が設定したゴールなのか?
いまどきの女性のロールモデルをどう考えるか…。私が会社員を辞めたのが2016年なのですが、私が会社員だった時代は、ご質問者さん同様、既婚者で子持ちで、ダブルインカムの管理職はいませんでした。
当時、私の周りの状況を見ると、外資系の管理職はシングルマザーや夫が働かない妻、日系の管理職は未婚者で大体分類できた感じでした。
それから6年で少しは色々変わったのかと思っていましたが、まだまだ仕事するならバリバリ頑張らないといけない、そのための肩書が「既婚者だけど子どもがいない」とか「バツイチ」とか「シングルマザー」というのに驚きを感じます。
「離婚」「未婚」「子なし」が女性の仕事の成功における条件なんて、昔かよって感じです。
そして最近は、メディア中心に仕事もパートナーも全部持っている人のほうが勝ちという感じの風潮にもなっていますが、一方でそれを現実社会に落とすと、まだまだ男性が上司に多く占めている以上、令和にはなっていないのかもですね。
そんな環境のなかで、女性が仕事を男性並みに頑張るって非常に大変。
私は、人並ですが住む家があって、安らげる家族や仲間がいて、楽しいと思える仕事があって、心身ともに健康というのが、男性女性問わずロールモデルだと思っていて、それぞれの要素がその条件に近づければ近づけるほど、幸せなのではないかと思っています。
もちろん、出世は社会的に認められたというスタンプであり、それも大事。でも、それが誰かに設定されたゴールであって、そのゴールを目指すためにほかの幸せの要素がボロボロになってるとしたらちょっと違うと思います。
フルタイムで働きながら子育てもするって無理です。私も子育てが始まると、出産前と同じように働くことはできませんでした。子どもが小さいときは、はっきり言って記憶にないほどに大変でした。
だから、「管理職を目指せ」と会社が言っていて、それに乗ってしまうと結局何かを犠牲にしないと無理というのが、私が会社員であった数年前であり、質問者さんの現状なんだと思います。ではどうするべきなのでしょうか。
10年後、バリバリは管理職の主流じゃないはず
まず、いまどの会社も女性活用は頑張っているので、状況は刻々とよくなっていくとは思います。
私が新卒で働き出したころは、就職した会社にワーキングマザーの先輩はいませんでしたが、20年たった現在、私の同期の女性たちは、ワーキングマザーとしてまだそこで働いていたりします。
だからいままで通り、目先のことを頑張れば、質問者さんも結婚生活を保ちつつ、子どもを産んでも管理職としてやっていける可能性は十分あるのではとも思います。