モラハラ夫から離れると症状が改善?離婚を決意
「ひどいモラハラ夫だったなといまでも思います。共働き夫婦だったのですが、私の方が収入が低いという理由でかなり見下されていました。家事はすべて私に丸投げ、育児にもほとんど関わりませんでした」
そう話すCさん(34)は、2人の子どもを持つシングルマザー。つい先日、夫とようやく離婚できたといいます。
「外面だけは本当にいい人だったので、彼のモラハラで悩んでいるんだと私が話しても誰も信じてくれませんでした。だからずっと、私の考えすぎで、世間一般の夫婦ってこんなものなのかな…って思っていたんです。
だけど2人目が生まれてしばらくしてから、精神的に不安定な状態が続き、気持ちの落ち込みも激しく、子どもにも笑ってあげられない日が目立つようになりました」
産後うつかもしれない、と産婦人科で相談したCさん。しばらく休んだほうがいいと言われ、実家に甘えることになりました。
当初夫は猛反対したものの、「1週間だけ」という条件付きで、しぶしぶ里帰りを許してくれたそうです。
「たった3日の里帰りでしたが、私にとっては大きな気づきがありました。夫から離れて一晩経つと気持ちがだんだん落ち着いてきたんです。そして帰る前日にはふたたび症状が目立つようになりました。これって、産後うつではなく、夫が原因の夫源病だなって、そこで確信したんです」
Cさんはそこで離婚を決意。しばらく自宅で夫からのモラハラ発言・行動の証拠を録音などで集め、タイミングを伺うことに。ついに証拠が集まった際は、お互いの両親へ夫のモラハラの事実を明かしました。
「これまで夫の外面のよさに騙されてきたうちの両親は大激怒。夫の両親も、自分の息子のひどい暴言の数々を聞いて絶句していました。夫は『でたらめだ』と叫んでいて離婚調停にまでもつれこみましたが、結局離婚を承諾してくれました」
離婚し夫から離れたいまではもうすっかり、夫源病の症状に悩まされることはないといいます。
夫のせいで情緒不安定に…あまりに強いストレスで強制別居
「夫源病になったきっかけは、夫の転職でした。それまでは激務で土日もほとんど寝てばかりの仕事でしたが、いよいよ体調を崩し始めてしまったので、大事になる前に…と転職することになったんです。無事にいい会社が決まり転職できたのですが、これまでと働き方が違うので、自然と家にいる時間が増えたんですよね」
それまではすれ違いがありつつも、夫婦2人で楽しく暮らせていたというDさん。
もともと少々モラハラ気質のある夫だったといいますが、互いに忙しかった転職前はほとんど気にならなかったそうです。
「でもそれって、一緒にいる時間が少なかったからなんですよね。一緒にいるようになると、細かなことでいちいち文句を言われるようになり…ストレスがどんどん溜まっていきました」
家事のことから家計のこと、さらには妻の見た目や休日の過ごし方にまで文句を言ってくるようになった夫。
Dさんは休日の朝ランニングが趣味だったそうですが、夫が早起きするようになって用事を言いつけるために行けなくなり、平日退勤後に通っていた英会話教室も、夫の退勤時間に合わせるために辞めたといいます。
こうしてDさんは、夫の転職がきっかけで自分の時間をどんどん失っていきました。
「家にいればいちいちケチをつけられ、自分の時間もなくなっていく…そんな生活がしんどくて、会社だけが唯一安らげる場所でした。
しかし、ある日夫に『そのうち子どももほしいし、いまのうちに仕事をやめて専業主婦になってほしい』っていわれたんです」
唯一の居場所だった職場まで失いそうになったDさん。早く退職届を出せと執拗に迫られる日々が続きます。
「結局、仕事を辞めました。その頃には、夫には逆らえない…と勝手に思うようになっていたんです。でもそれから情緒不安定になってしまい、些細なことで泣いたり怒ったり、逃げ出したいと思い詰めることもありました。
夜も寝れなくなって、夫の小さな言葉で過呼吸になってしまったことも。そんな私のSOSを受け取った姉が、強制的に私と夫を別居させてくれました」
夫と離れてからしばらくして、情緒が少しずつ安定してきたというDさん。最近では実家に夫が来て、1時間だけ一緒に食事をできるようになってきたといいます。
「正直、再び彼と一緒に生活するのは無理だと思っています。ただ離婚を打ち明けようって思うだけで心臓がドクドクするので…なかなか気持ちを伝えるのは難しそうです」