みなさんこんにちは。韓国に暮らして14年、私は現在ソウルで留学生対象にシェアハウスを運営しています。
新型コロナウイルス感染予防のため、海外からの入国者に対して厳しい防疫対策を行ってきた韓国ですが、2022年4月に「海外からの入国後の7日間の隔離義務」を解除しました。
その後、2022年6月には日本からの観光ビザの受け入れも再開。2022年9月には韓国入国前コロナウイルス検査陰性証明書の提出義務を解除し、10月からは韓国入国後1日以内のPCR検査義務まで解除されました。(参考:ソウル聯合ニュース)
現在は観光ビザやKEATという電子ビザで、コロナ禍前と同じように韓国への入国が可能です。
きょうは、韓国の新型コロナウイルスの現状についてお話しします。
観光客の増加は新型コロナウイルス感染者数に影響はある?
コロナ禍で世界中に広まった韓国文化やKPOPの人気によって、現在韓国を訪れる外国人観光客が増加しています。
韓国への入国制限によって観光客が激減し、空き店舗ばかりで閑散としていた「明洞」や「南大門市場」「ソウルタワー」などの有名観光地は、2022年春ごろから徐々に外国人観光客の姿を見かけるようになりました。
現在はコロナ禍前ほどではなくても、たくさんの韓国人・外国人観光客で賑わっており、活気を取り戻してきています。
しかし、まだ新型コロナウイルス感染症が収束したわけではありません。韓国では現在でも、毎日数万人の新規感染者が発生しています。
海外からの入国者への防疫対策を解除したことによる観光客の増加が、新型コロナウイルス新規感染者数へ影響を与えている可能性はあるのでしょうか?
韓国内のコロナウイルス新規感染者数の変化を見てみると、韓国政府が海外からの入国者への隔離を解除した4月上旬、新規感染者は20~30万人と多かったものの、4月下旬や5月、6月には1万人~5万人程度へと減少。
そして夏休みシーズンの7月下旬~8月になると、10万人~15万人と増加し、9月の新学期が始まると数万代へと再度減少しました。
韓国を訪れる外国人観光客の数は4月から引き続き増加していること、今年の夏休みはコロナ禍後初めての制限のない夏休みであり、多くの人々が国内での観光を楽しんだと考えると、韓国国内の新規感染者数は夏休みシーズンの国内での人の動きに応じて増加・減少しているようで、外国人観光客の増加は新規感染者数へ直接的な影響は与えていないのではないかと思います。
厳しかった韓国のコロナ防疫。いまはどうなの?
コロナ禍での韓国のコロナ防疫は、日本と比べると厳しかったと思います。
たとえば、コロナに感染すると保健所からの厳しい疫学調査が入り、クレジットカード使用歴などから動線を調べれられ、接触者は全員検査義務と隔離義務などがありました。
特に自己隔離については非常に厳しく、隔離中はスマートフォンのアプリケーションで管理され、隔離場所を離れるとスマートフォンのアプリケーションから管理先へ報告が入るようになっていました。
スマートフォンを置いて外出する人もいたため、ときには隔離先にいるかどうか保健所の職員が隔離先まで確認しに来ていたくらいでした。
ちなみに、過去に隔離先を頻繁に離れたということで外国人が有罪判決を受けた例もありました。
日常生活においては、集会や集まりの禁止、会食は4人までの人数制限、飲食店に入る際にQRコードで入店記録を残さなければいけない、マスクの着用は任意ではなく義務など厳しいコロナ防疫対策でした。
そんな厳しいコロナ防疫を行っていた韓国も、現在は「感染者の7日間自己隔離」と「室内マスク着用」以外、ほとんどのコロナ防疫は解除されています。自己隔離も以前のような厳しい管理システムは撤廃され、保健所から隔離期間の連絡メッセージが届くだけです。
現在は、屋外でマスク着用せずに歩いている人をたくさん見かけます。コロナ禍にはレストラン、デパート、地下鉄駅、バスのなかなど、どこにでも置いてあったアルコール消毒液も、最近は置いてない所も多くなりました。
人気の観光地、デパート、ショッピングモール、空港、地下鉄駅、遊園地、映画館などは常に人、人、人でいっぱいです。
大学や韓国語の語学学校も2022年4月から全面対面授業となり、ソウルには韓国国内や海外から多くの学生・留学生が大勢集まってきています。
ソウル市内の弘大(ホンデ)や新村(シンチョン)という有名学生街は、コロナ禍前と同じように多くの若者や外国人観光客であふれかえり、特に週末は朝まで賑やかです。
旅行者用ゲストハウスの多いこの地域では、スーツケースを引きずっている外国人観光客の姿を毎日何回も見かけるようになりました。
コロナ禍には人がまばらで閑散としていた各大学のキャンパス内は、いまは平日も休日も多くの学生がいます。
学生街に位置する1人暮らし用アパート、シェアハウス、下宿などには、対面授業開始に伴って入居希望者が集中し、なかなか空き部屋が見つからないという状況になっているようです。
全国民の半数以上が、新型コロナウイルスに感染した韓国。私も、周りの人もほとんど感染しました。
韓国人と会話をしていると「コロナは特に気にしていない、コロナはもう過去のこと」と思っている人がとても多く、韓国ではもうほとんどコロナ禍前の日常が戻ってきているのだと感じています。
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