C氏と被害者たちはどうなった?
被害者たちはそれぞれC氏から何とかして保証金を受け取ろうとC氏を探します。しかしそのC氏は2022年11月、ソウル市のとあるモーテルで遺体となって発見されてしまったのです。
C氏は「不動産チョンセ詐欺師ヴィラ王」と呼ばれ、C氏の死亡は当時報道で大きく取り上げられました。
このチョンセ詐欺の被害金額は2000億ウォン以上とも言われています。
ほとんどの被害者たちは、高額な保証金を銀行からの融資を受けて支払っていました。
ヴィラ王C氏が死亡してしまったため、詐欺被害者たちは現在も保証金を受け取れていない状況です。
すでに住んでいる物件も差し押さえられ、いずえ競売にかけられるでしょう。それでも銀行へ返済しないかぎり、利子は発生し続けるのです。
「チョンセ制度」はなくすべき?
専門家たちは、これは事前にいくら気をつけていても避けられない詐欺だと言います。
なぜなら契約時に一番気をつけて確認しなければいけない物件の登記簿謄本には、銀行からの借り入れや差し押さえなどが一切書かれていないからです。
そこへ「保証保険に加入」という契約条件であれば、誰もが安心して契約をしてしまうでしょう。
この手法の不動産チョンセ詐欺は「ヴィラ王C氏」だけではなく、現在も韓国の至る所で発生しています。
ヴィラ王C氏の謎の死からも、専門家たちはおそらく裏にブローカーが存在するのだろうと考えているようです。
韓国国土交通部は不動産チョンセ詐欺被害者を対象に説明会を開きましたが、まだ解決する方法は見つかっておらず、被害者たちの戦いはいまだに終わりが見えない状況です。
「チョンセ契約」という賃貸制度自体が、この悪質な不動産詐欺を生み出してしまった大きな原因なのではないかと思います。韓国はもうチョンセという賃貸制度をなくすべきなのです。
- image by:Shutterstock.com
- ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。