背筋が寒くなる別れ際のラブソング
もうひとつ、往生際の悪い別れ話を紹介します。
リカさん(仮名)は、大学時代に告白されたことがある先輩に同窓会で久々に再会。告白された当時は彼氏がいたためしっかり断ったそうですが、先輩がものすごく落ち込んでいたのは記憶にあったそうです。
けれど大学時代のことなど、いまは昔。告白されるまではおもしろくて仲良しの先輩だったので、久々にお酒を飲んで盛り上がり、3次会まで…。
すると帰りの駅で酔っぱらった先輩につかまり、「いまでも好きだ」と泣かれてしまいました。
このときのリカさんは彼氏がいなかったので、そこまで好きでいてくれるならと付き合うことになったそうです。
付き合い始めのころは優しくて、こんなお付き合いもいいなと思ってたリカさんでしたが、仕事で疲れているときでも毎日大量のLINEで「会いたい」「少しだけ声が聴きたい」とLINE攻撃。ときどき謎のポエムのようなものまで送られてくるようになりました。
さらに、リカさんが飲み会に出かけたり、帰りが遅くなると「何してるの?」などとしつこく連絡がくるようになり、うんざりしてしまいました。
束縛されることに疲れてしまったリカさんは、やはり付き合えないと先輩に別れ話を持ちかけました。当然、先輩は「ぜったいに別れたくない」と拒否。
「別れたくないと言われれば言われるほど、一刻も早く別れたくなりました。話し合いは深夜になっても終わらず、でもきょう絶対に話をつけてやると思い朝までやっている居酒屋に場所を移し別れ話。先輩はお酒が回ってだんだん訳がわからないことを言いはじめて、さめざめと泣き出し、うんざりしてしまいました」
明け方、居酒屋も閉店するため追い出され、家まで行って話したいと言われましたが、もう限界と思ったリカさんはすがる彼を振り切り「さよなら」と言って始発の電車に乗って帰宅しました。
今後連絡を取れないようにLINEをブロックし、着信拒否。共通の友人から、彼が落ち込んで大変だから連絡してやってくれと言われましたが、リカさんも疲れ果てていたので、友人に事情を話して、先輩を説得してもらうようにお願いしました。
友人に間に入ってもらったことで、先輩もリカさんと別れること自体は仕方ないと受け入れたそうです。
やっと別れられたと思い、ほっとしていた矢先。びっくりするような事件がリカさんを襲います。
「その友人から、わたしに聞いてほしいと預かったとCDを渡されました。いったい何なのかわかりませんし、聞きたくなかったのですが、恐る恐る聞いてみました」
すると彼からのメッセージが…。
「お前と別れたくなかった。でもお前の幸せを考えて別れることにした。だけど俺の気持ちを伝えきれていないから、お前に歌を作った。最後のお願いだ、この歌をお前に捧げるから聞いてほしい」
というメッセージの後に、背筋が寒くなるような自作の歌が流れてきました。
歌の内容はもう最悪。「お前は女神だった…湯上りのお前のうなじがキレイだった…一生忘れないよBABY」のような聞いているだけで恥ずかしくなる歌詞を、微妙なギターで歌い上げていたそうです。
「以前から、自分の世界に入り込んでしまうときがありましたが、最後のお願いで歌を聞いてくれって、驚きを通り過ぎて呆れてしまいます。しかも決して歌はうまくなく、作詞作曲のセンスはゼロ。なぜ歌で伝えようとしたのかも理解しがたいです。一回聞いて、申し訳ないけど捨てました」
その後リカさんは、それがトラウマになり、しばらくラブソングが聞けなくなってしまったそうです。
別れたくない気持ちはあれど、やはり往生際の悪い別れ方は最後の印象をさらに悪くしてしまいます。きちんと話し合ってお互い納得して別々の道を歩めるのがベストだとは思いますが、なかなかそうはいかないものですね。
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